更新日:2013年07月03日 09:03

植草一秀氏が解説。「アベノリスク」とは?

◆マネーな人々 今週の銭格言 【選者】政治経済学者 植草一秀氏 アベノミクス人気をもたらした最大の要因は、株価の大幅上昇にあった。しかし、この株価上昇をもたらしていた「異次元」金融緩和への期待が今、失望へと変わり始めている ◆長期金利上昇で円高。「アベノミクス」シナリオの挫折【後編】 ⇒【前編】はこちら  日本の株価は割安な水準にまで下落し、目先では米国金利上昇による円安が生じる可能性はあるから、株価暴落が持続する恐れはさほど大きくない。  しかし、米国金利上昇の先にあるのは、米国の金融緩和政策縮小の現実化だ。それだけに、これがもたらす米国株価押し下げ圧力の影響も考えておかねばならない。  また、アベノミクス第二の矢は、財政政策発動による景気浮揚だが、補正予算が実行に移された現時点では、焦点が消費税増税に移っている。こちらは、景気改善・株高ではなく、景気悪化・株安をもたらしやすい政策だ。発表された成長政策も、短期的な起爆剤としては爆発力に欠ける。 「アベノミクス」の宴が終わり、メッキの下からは「アベノリスク」の地金が現れつつある。 【今週の数字】 円ドルレート 1ドル=93円 金融緩和が金利低下をもたらし、円安・株高・インフレ高をもたらすとされてきた。しかし、金利上昇が始まり、円高傾向になるなどシナリオに大きな誤算が生じている 【植草一秀氏】 シンクタンク主席エコノミスト、大学教授などを経て、現在はスリーネーションズリサーチ(株)代表取締役。ブログ「植草一秀の『知られざる真実』」(http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/)。『アベノリスク』(講談社刊)を7月上旬に上梓
アベノリスク

日本を融解させる7つの大罪

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