iPhone 5c速度調査全国対決!札幌から那覇まで20都市125か所の戦いの勝者は?
ドコモ、au、ソフトバンクの3社から、同時にiPhone 5s/5cが発売されてから1週間。さっそく手に入れて使ってみた人もいれば、どのキャリアのiPhoneを選べばいいのか、様子見の人もいるだろう。
ドコモが参入したことで三つ巴になったiPhone合戦。ユーザーのチェックポイントは、発売前から料金プランと通信品質の2つに絞り込まれていた。ところが蓋を開けてみたところ、3社の料金プランに大きな差が見られず、ちょっと期待ハズレ……。差別化ポイントは通信品質ということになった。
新型iPhoneが800Mhz帯のプラチナバンドに対応したことで、下馬評では“auが圧倒的有利”とされていた通信品質。発売後、いろいろな調査報告が上がっているが、全国規模で見るとどうなのか?
MMD研究所が、iPhone 5cを用いて全国20都市125か所で実施した通信速度調査によれば、20都市125か所のダウンロード平均スピードは、ドコモが18.21Mbps、auが22.00Mbps、ソフトバンクが26.45Mbpsとなり、全国規模では、意外にもソフトバンクが最速という結果になった。
同調査では、9月21日~25日の間に北は北海道の札幌市、南は沖縄の那覇市で、アプリ「RBB TODAY SPEED TEST」を利用して、新型iPhoneの通信速度を計測。10時~19時の時間帯に、同条件のもと、3社ともLTEを捕捉した状況でiPhone 5cで各スポット3回通信速度を計測し、その平均値を記録した。
⇒【調査結果一覧】はこちら https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=513502
また、通信速度の平均値同様、各調査スポットで20Mbps以上の通信速度を記録した数も、ソフトバンクが125か所中87か所で1位に。次いでauが62か所、ドコモが39か所となっている。
今回のMMD研究所の調査結果からわかったことは、全国規模で見ると、下馬評と異なりソフトバンクがもっとも安定して高速通信を提供しているということだ。新型iPhoneが800Mhz帯に対応したからauが圧倒的に速い、というわけではなかった。今回ソフトバンクが健闘した理由としては、同社が新型 iPhone の発売に合わせて導入を進めていた「倍速ダブルLTE」などの成果が考えられる。
これは現在、同社が提供中の 2GHz帯 と 1.7GHz帯 の LTE サービスの帯域幅を、5MHz 幅から10MHz 幅に拡張することで、通信速度の理論値を 75Mbps×2 帯域に引き上げる方式のこと。さらにソフトバンクは来年、900Mhz 帯のプラチナバンドでの LTEもスタートさせる予定で、2GHz帯 と 1.7GHz帯 と合わせて「トリプル LTE」になる見込み。まだまだ通信品質の向上が期待できる。
もちろん、800Mhz帯のプラチナバンドを要するauの通信品質も上がっているのは確か。MMD研究所が3月に行ったiPhone 5による調査結果と比較したところ、auが約14Mbps、ソフトバンクが約16Mbps、平均速度が上がっていたそうだ。2社ともネットワークの改善が見られる。
なお、今回からiPhone合戦に参戦したことで話題のドコモは、iPhoneでの戦いに一日の長がある2社に及ばず。基地局増設や通信速度の理論値引き上げなど、今後の品質向上に期待といったところだ。
3社の力関係がどうなっていくのか? iPhoneの通信品質向上には3社とも力を入れているだけに、今後の展開が見逃せない。 <文/日刊SPA!取材班>



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