更新日:2016年02月10日 17:18
カーライフ

自動車ジャーナリストが見た [被災地のクルマと道路]

東日本大震災発生以降、初の大型連休――。 今回のGWは、多くのボランティアが被災地を訪問し、さまざまな支援活動を実施していたが、クルマ業界に携わるものとして自分にも何かできないか? そんな思いを胸に、(少し前ですが)被災地に行ってきました。 目の前に広がる光景に、ただ言葉を失う……。東日本大震災の被災地を訪れたのは、クルマでの移動手段が回復しはじめた4月上旬のことだ。宮城県石巻市と仙台市沿岸部に、2回に分けてボランティア活動のため向かったのは、私が所属する日本自動車ジャーナリスト協会(A・J・A・J・)に対して、現地で復旧・復興にあたるNPO法人からの要請を受けたもので、被災地におけるクルマのドライバー役が主な活動内容だった。 避難所生活を余儀なくされている人々が置かれている環境は、日々改善傾向にあるものの、持病の悪化による体調不良や将来への不安からくるストレスなど、避難所生活の長期化により新たな問題も見えてきた。 こうした情報は、ボランティアとして活動する調査員(学生やおもにフリーター)が集めている。4月中旬からは、地方公共団体や自衛隊との情報の共有化もはじまり、それにより被災直後では叶えられなかった、きめ細やかな対応ができるようになってきたという。 とはいえ、調査員も自身が被災者である場合が多く、精神的な疲労が続くなかで各地に点在する避難所まで自らクルマを運転し、現場で情報収集をするには体力的にも限界があった。そこで、こうした調査員の活動をサポートすることになったのだ。 ⇒【後編】につづく

災害派遣等従事車両証明書

支援物資の輸送やボランティアで被災地入りする際に、この「災害派遣等従事車両証明書」を取得すると、高速料金が免除される。市役所や区役所等の地方自治体の窓口で申請し、所定の手続き等を経れば、無料で発行してもらえる

1回目は救援物資を積んで石巻市へ

4月5日~8日早朝にかけての1回目の訪問では、救援物資を運ぶためにトラックにて移動。使用したのはリチウムイオンバッテリーを搭載する三菱ふそうのトラック「キャンター エコ ハイブリッド」。パラレル式ハイブリッドに機械式電子制御5速トランスミッション「INOMAT-Ⅱ」を組み合わせたハイブリッドカーだ。最大積載量の2tの積荷を積載した状態でも、高速燃費はリッター11.8kmとよく走る。石巻市への移動車として活躍した

2回目は仲間と仙台市七ヶ浜町へ

4月11日深夜~13日にかけての2回目は、A.J.A.J.の会員2名と訪問。使用したのは、ディーゼルエンジンを搭載するメルセデス・ベンツ「ML350BlueTEC 4MATIC」。95リッターの大容量タンクとリッター12kmの高速燃費で、1000kmを無給油で走りきることが可能だ。仙台市七ヶ浜町への移動車として活躍した SPA! AUTO CLUB Vol.683 クルマは? 道路は? 被災地の実情をボランティアとして調査してきました 被災地のクルマ・道路事情リポート 西村直人=文
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