14歳の天才・日本人少年をカナダのトップ大学が奨学金付きで獲得合戦
カナダ在住の14歳の日本人少年が、この春カナダ国内のトップ大学5校に合格して、現地で大きなニュースになっている。
※http://www.mapleridgenews.com/eeditions/?iid=i20140425070507891
日刊SPA!では、この天才少年・大川翔君への単独インタビューに成功した。
翔君は中学高校と飛び級して、現在はブリティッシュ・コロンビア州にあるトーマス・ヘイニー高校の3年生だ。
本来は受験資格年齢に満たないところを、システムを変えて受験できるようにした大学や、3学年飛び級(平均点99%)を知ってわざわざスカウトに来た大学もあり、この3月までに“カナダのハーバード”とよばれるマギル大学をはじめ、ブリティッシュ・コロンビア大学、トロント大学、サイモン・フレーザー大学、ビクトリア大学に合格した。
しかも、すべての大学から返済不要の奨学金付きオファーが来ており、どの大学に入学するかを検討中だという。
ちなみにサイモン・フレイザー大学は3万4000ドル、ビクトリア大学は2万6000ドル、トロント大学は合計で1万ドルの奨学金を申し出ている。マギル大学は2万5000ドルの奨学金に加え給料付きの仕事を、そしてブリティッシュ・コロンビア大学は3万ドルの奨学金に加え、リサーチ・アシスタントという給料付きの仕事までオファーしている。
まるでメジャーリーグの球団が高額な年俸を提示して田中マー君を取り合ったように、大学側が翔君にかける期待の大きさがうかがえる話だ。
翔君は5歳の時に両親の仕事の関係でカナダへ。
当時は英語の読み書きもほとんどできなかったが、親がベビーシッター代わりに雇った地元の小学生に英語の本をたくさん読んでもらい、それを繰り返し読むことで徐々に英語を身につけていったという。
その後、9歳のときにカナダで「ギフテッド=天才児」登録され、通常の学校教育とは別にギフテッド・プログラムも公費で受け始めた。英語のスピーチコンテストやライティングコンテスト、数学コンテストなどで多数優勝している。
翔君は中学校の3年間を飛び級し、12歳で高校へ進学。
高校では週に4コマ、数学の先生のアシスタントとして生徒を教えたり(それが1教科分の単位にもなる)、生徒会役員に選挙で選ばれ生徒会活動をしたり、小学生に空手を教えたり、カナダ人に日本語を教えるイベントを企画開催したり、多忙な毎日だ。
北米の学校では、単に勉強ができるだけではなく、スポーツやボランティアなど幅広い活動が求められるという。大学側が重視したのもその点だ。
「僕の高校は、それぞれの生徒にあったスピードで学習することができるし、自由な校風で、大学に近い感じです。勉強はもちろん、化学や物理の実験、牛や羊の解剖実習、3歳から始めたピアノや、もうすぐ黒帯(初段)の空手(国際明武舘剛柔流)の他に、ボランティア活動にも力を注いでいます。たとえば地元の英語の苦手な子供たちに英語の読み方指導をしたり、シニアの方々にWindows8やiPadの使い方を教えたり、行動障害のある子供たちに空手を教えたり、環境保護活動をしたり……。勉強ができるだけではこちらでは尊敬されません。高校生であっても、社会に貢献することが求められています」
なんとも立派すぎる14歳だが、将来は何になりたいのだろう?
「以前は素粒子物理学に興味があったんですが、その後、サイモン・フレーザー大学の研究室や、ブリティッシュ・コロンビア大学の教授たちによるMini-Med School(先端の研究所が高校生を受け入れていろいろ教えるところ)で生化学と出会い、とても引きつけられたんです。人間の体の化学反応というのは、僕にとってはとてもおもしろいです。将来はガンや糖尿病やアルツハイマーなど、現在治療が難しい病気の治療法発見に関与できたら、すごくうれしいですね」
そんな翔君だが、高校の卒業式を前にして、ある難題に直面しているという。
「実は……プロムのパートナーを早急に探さなくちゃいけなくて(※プロムとは卒業式後に行われる正装でのダンスパーティ。パートナー同伴で出席する、高校生にとっては一大イベント)。僕はその方面ではちょっと遅れているから……同学年は年上の女のコばかりだし。どうしようと頭を抱えています(笑)」
スーパー天才少年にも苦手な分野があったとは……。いや、年相応の悩みがあって、ようやくホッとした取材班であった。
※8月上旬発売予定『ザ・ギフティッド 14歳でカナダのトップ大学に合格した天才児の勉強法』(大川 翔・著 定価1300円+税)
<取材・文/日刊SPA!取材班>
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