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なぜオジサンは「地下アイドル」に釣られたのか?【ビジネスに活かせるアイドル商法】

 アイドルには全く持って興味がなかったのに、一度ライブに足を運んだらすっかりハマってしまった中年アイドルマーケターのA氏が、コンサルタントとして、仕事目線で彼女たちを見るようになり、最終的に「地下アイドル商法は勉強になる! もっと多くのビジネスマンに知ってもらいたい!」といった考えに行き着いたという。前回に引き続きビジネスマンに活かせるアイドル商法は「まだまだある!」という。

※前回のインタビュー『サラリーマンは「地下アイドル商法」から学べ!』http://nikkan-spa.jp/674515

KIRA☆PEACE

KIRA☆PEACEと一緒に。カッパのアイコンはA氏

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「突然ですが、“釣り”と言う言葉をご存知でしょうか。今では自然に『やばい、あまりの可愛さに釣られそうだ』と日常用語のように使っております(笑)。AKB48の柏木由紀さんが、“握手会の女王”という異名を持っているのを、以前聞いたことがありました。たかが握手でファンになるものか、と思うでしょう? しかし私は12か月前に初めて秋葉原でアイドルグループ『ラブリードール研究生(通称らぶけん)』(現在は2つのユニット、LuceTwinkleWink☆、Stella☆Beatsとして活動中)のライブに参加し、入場時に配られた全員握手権をもらったことで、私の考えは一変しました。

 現在LuceTwinkleWink☆というグループの宇佐美幸乃ちゃんとStella☆Beatsの七瀬のぞみちゃんに、まさに秒殺で釣られてしまい、今でも熱心に応援を続けています(興奮)。本当かなと思われるかも知れませんが、彼女達は毎週金曜日に秋葉原のTBでライブを行っているので、一度行ってみて下さい。ただ、気をつけなくてはいけないのが、それぞれグループには5名所属しており、(私見ですが)メンバーみんなが魅力的なので余程の強い意志を持って行かないと、全員に釣られてしまう可能性があります。勇気のある方はStella☆Beatsのリーダーである、星野愛菜さんにチャレンジしてみて下さい。私は密かに彼女のことを、“釣りのプリンセス”と呼んでいます。彼女はすごいです。ライブの最中から、目で殺してくるんです!」

 と、地下アイドル歴1年弱でありながら、まさに“ガチ”。何が彼をそうさせたのか、早速プロの視点になって分析してもらった。

少女第九楽章-ガールズ アンセム

少女第九楽章-ガールズ アンセムと

「何度もライブに通っていて気がついたのですが、彼女達は全員容姿のみでファンを釣っているのではありません。ここで、仕事目線で見ていて勉強になるのが個人の対応です。私はこれまで、合計費用を計算するのが怖いくらい、いろいろなグループのライブを見に行って、多くの握手会に参加してきました。ライブが実施された場合、大抵の場合は物販と呼ばれるCD、DVD、ブロマイドなどの販売と個別握手会が実施されます。その時に、いわゆる可愛い子だから列ができるかというと、そうでもないのです。私も、ものすごく可愛い子の握手列に並んだことがあったのですが、その時は可愛いなと思っても、その後全然印象に残らなかったアイドルの子もいました。逆に、目立つ程可愛い訳ではなのですが、ものすごく印象に残り、ライブ毎にその子の個別握手列に並んでいると言うこともあります。

 それでは、何が違うのか。そこには、ビジネスマンや小さなお店に必要なヒントがあります。何が違うのか。それは“認識”です。人はとかく評価や比較を求めます。言ってみれば、マニュアル通りのお店は、接客に個性がなく印象に残らないのと一緒です。ですから、会話の上手な子は握手の際に『ネクタイ姿と言うことはお仕事ですか』とその答えを聞いて、『お仕事帰りに会いにきてくれて嬉しいです』と付け加えると、特にオジサンは結構釣られます。さらに、少し顔なじみになったときに『前のライブでは〇〇だったよね。今回も〇〇だった?』と、容姿や声援の出し方について感想を述べたりすることで、間違いなく釣られます。実際、私も『Aさんの声援届いたよ!』なんて言われてしまい、通い詰めることになりました(興奮)。

 握手やサインなどをもらっている時に話せる時間は10秒~30秒くらいです。彼女達は、その短い時間にファンとの会話を組み立ててファンとのコミュニケーションを作り上げています。もちろん、会話が苦手な子もいますが、その子達も全員ではありませんが、笑顔でみつめたり、ファンに質問をしたりなど、いろいろとコミュニケーションをとる工夫しております」

 これだけ地下アイドルが増えたこのご時勢、彼女たちも必死だ。もちろん、マーケティングとして意識した行動ではないだろうが、これこそがビジネスマンが学べる技術だという。

「AKBクラスだと難しいですが私が毎週のように参加しているグループのライブは多い時でも80人くらいで、生誕祭(メンバーの誕生日を祝うライブ)など何かイベントがあると100人位で、少ない時は30、40人です。これであれば、上記のような個別の対応も可能です。そして、余程大きな企業でない限り、自分が担当している取引先やお店に来るお客さんの数は、それ程多くないと思います。だからこそ、相手を覚えて、認識をし、コミュニケーションをはかる。ちょっとした行動がビジネスなどを大きく変えて行きます」

 これは、A氏が以前飲食店とコンサル契約をしたときに実践したものだという。その時は、年間で売上げが20%UPを達成しており、彼女たちが実践しているのを見て、涙ぐむのだという。

MINGO!MINGO!(鹿児島)

鹿児島のMINGO!MINGO!と

「飲食店であれば、『今日は〇〇がお勧めです。いかがですか?』と言われると、『それはいいや』などと言われてしまうのですが、『今日はお肉とお魚のどちらが良いですか?』と聞けば、相手が何を求めているのかが分り、料理をお勧めしやすくなりますよね。ビジネスマンであれば、打合せや商談、飲食店などのお店であれば接客を変にマニュアル化するのではなく、相手が何を求めているのかを察知して、完結に要点を述べる。これは特別な訓練などをしなくても、ちょっと心がけるだけで、直ぐにできて成果がでてきます。是非足してみてください。短い時間で、相手の要望を汲取り、コミュニケーションを取るのは、一朝一夕でできることではありません。ですが、日々意識をすることで段々身に付いてきます」

 アイドルもお客を獲得したいからこそ、自ずと身に付いたマーケティング。ビジネスマンも本気になればこそ、仕事を獲得して、一歩先を目指せるのだろう。本気になれないヤツは、まずはアイドルのライブに行って釣られてみるのがいいだろう。

<取材・文/日刊SPA!取材班 写真提供/A氏>




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