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NGT48騒動を元SKE48メンバーが考える。アイドルと運営の間の問題点は?<現役グラドル経営者・手束真知子>

 ミスマガジン2004、SKE48/SDN48の元メンバーという経歴を持ち、今は現役グラビアアイドルとして活動しながら、グラドルたちが働くカフェの経営者でもある手束真知子。そんな“二足のわらじ”をはく彼女だから語れる「フリーランスアイドル論」とは……? 手束真知子

アイドルと運営の間にはなにがある?

 今、世間を騒がしているNGT48のメンバーがファンを名乗る男に暴行された事件。運営の対応が遅れてしまったり、メンバー自身が関与の否定をしたりして「犯人探し」のような流れになってきていますが……、問題はそこではなくアイドル業界全体にあると思うんです!  特に今の時代は「地下アイドル」と呼ばれる無名のアイドルユニットがたくさん存在していて、日々明るみに出ないいろんなトラブルが起きているんですよね。それにはやっぱりアイドルと運営が関係していて、ついに今まで目を塞がれてきたことに目を向けるタイミングが来たように思います。  アイドルと運営の間にはなにがあるのか?  これはアイドル経験者にしかわからないことであり、私が元メンバーであり、元「干されメン」だったからこそわかる《ポイント》があるんです。

元「干されメン」が感じた3つのこととは

 一つ目が「アイドルと運営の距離感~コミュニケーションと教育~」です。  今回の事件でNGT48の支配人が新しく変わり「メンバー1人ひとりと密にコミュニケーションをとっていきたい」というコメントがあったのですが、実際に私がアイドルとして活動していたとき、支配人はおろかマネージャーさんやスタッフさんともコミュニケーションをとることができなかったんです。  話し合いや相談ができない、できないというより「干されメンの私が相談しても忙しくて聞いてくれない、したら申し訳ない」という感情でした。メンバーの数も多いし、「売れている選抜メンバーが第一!」と思っていましたし、ここで売れるためには何も言わずに従っておこう、という感じで自分の気持ちを抑えるようになっていったんです。  さらに、アイドルにはもっと教育が必要だと思うんです。  誰でもアイドルになれる時代だからこそ、「他の子の個人情報は教えてはダメ」「ファンと付き合ってはダメ」という基本的な部分を最初にしっかり教育することがトラブル防止につながると思うんです。恋愛経験の少ない10代からアイドルをやっていると、男性に好きって言われると好きになっちゃいますよね。  でもそれがアイドルをやっていくなかでどんなにダメなことなのか? トラブルになってからでは遅いので、そうならないためにもしっかり再教育が必要だと感じました。 手束真知子 2つ目が「世界の狭さ」です。地下アイドルはもちろん、国民的アイドルグループでさえも、その中の世界はとても狭いんです。 「あの子より立ち位置が50㎝外だった」「あの子より歌詞割りが3文字少なかった」というだけで悩んだり落ち込んだりしていたくらいです。だからこそほかのメンバーの動きも気になってくる。仲がいい、仲が悪い、とかではなくライバルとして気になってくるんです。  ここでダメなら人生終わってしまうのでは?という恐怖心に襲われてしまいますし、ライバルに勝つにはのし上がるしかない!という思考回路になってしまい「悪いとこを見つけたら運営に報告してやろう」と、よくない方向に走ってしまうこともあります。  さらに「運営に好かれたい!嫌われたくない!」という思いからもっと世界が狭くなってきます。ここまでくると誰の為にアイドルをやっているのかわからなくなってきますし、逆に、地下アイドルの場合は運営側があえて世界を狭くしてアイドルを洗脳したり自分の言うことを聞かせたりする場合すらあります。  もっと世界が広ければ、視野が広ければ、周りを気にすることなく変な方向にも行かずに済むと思うからこそ、今後の大きなポイントだと思います。
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3つ目のポイントは?
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ミスマガジン2004(原田桜怜名義)、SKE48/SDN48の元メンバー。現在はフリーランスで活動し、秋葉原でお店「発掘!グラドル文化祭」(guradorubunkasai.net)をオープン。店内では水着のグラビアアイドルが♡むぎゅむぎゅ♡してくれるむぎゅパンケーキが名物として発売中。アイドルユニット「グラドル文化祭」のプロデュースもしている。グラビアDVD「待ちこがれて」「mature」。Twitterアカウント「@machi_pie」Instagramアカウント「@machikotezuka

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