更新日:2015年01月14日 19:32
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【貧困女子のお部屋訪問】年収200万円以下の現実

貧困女子のお宅拝見

電気代節約のためとろうそくを愛用している

 風俗街で知られる西川口駅で、築30年・家賃5万円のアパートで暮らす坂口美穂さん(仮名・26歳)。テレビはないが本棚にはさまざなジャンルの小説やCDがならぶカルチャー女子。質素ではあるが整理整頓されている。 「お金がないから、部屋で古本読んでるだけです。毎月のように自転車操業で、読み終えた本が溜まったら売りにいきます」  人生にミソが付いたのは、高校卒業後から6年近くアルバイトで勤めていたクリーニング店の倒産だ。その後派遣で医療系の会社に勤めるも、職場でイジメに遭い、続かなかった。生活に困窮しはじめたときに、自宅近くの風俗店の看板が目に入った。 「私、太っているので『ぽっちゃり専門店』でしか働けなくって。料金は60分1万円で、私に入るのは約半分。マニア店だから需要が少なく、8時間待機しても2人しか客は来ない。月収は手取り15万円ぐらいですね」  風邪や生理時は出勤できないため、さらに稼ぎが減ってしまう月もある。コンビニでバイトしたほうがよほど稼げるのでは……。 「でも、クリーニング店は安い時給の体力仕事だったし、60分で稼げる風俗を経験してマジメに働くのがバカらしくなった。まぁ、エッチなことが好きなのもあるけど」  そういって笑うが、現実は笑えない状況だ。親類の保証人になったことで、借金200万円を背負い、債務整理中だという。さらに受難は重なる。 「夏に体調を崩して2週間仕事を休んだことで、家賃を2か月滞納中で。呼び鈴が鳴る度に大家さんかな?とビクビクしています」  小さな希望は、店で知り合った交際歴半年の彼氏。風俗の仕事に反対するなど、彼女のことを真剣に考えているようだ。 「でも、いまの仕事をやめても、次の仕事が見つかるまで私を経済的に支える力は、彼氏にもない。こんな仕事をしているうちは結婚できないだろうし、そのうち捨てられるんじゃないかな」  息抜きはベランダでタバコを吸うこと。「空がキレイでしょ」というが、真ん前は高層マンションで空はほとんど見えない。彼女が見ているのは、現実か、幻か。11/17発売の週刊SPA!では「年収200万円以下[貧困女子]のお部屋訪問」という特集を組んでいるが、アベノミクスの恩恵はやはり幻だったように思えてくるのだ。 <取材・文/週刊SPA!編集部> 【データ】 坂口美穂さん(仮名・26歳)風俗業 埼玉県川口市/6帖1K/23m2/5万円 年収 180万円 手取り月収 15万円 家賃 5万円 光熱費 1万円 通信費 1万5000円 食費 3万円 債務整理後の支払い 3万円 衣服、美容費など 1万円 交際費 5000円 あまり なし 借金 残債約100万円
週刊SPA!11/25号(10/17発売)

表紙の人/柏木由紀

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