雑学

テリーがやって来る、マスカラスがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!――フミ斎藤のプロレス講座・第17回

 ことし最後の超大物スーパースター来日である。東京愚連隊(とうきょう・ぐれんたい)の自主興行12・11“TOKYO DREAM2014”後楽園ホール大会に“リビング・レジェンド”テリー・ファンクと“仮面貴族”ミル・マスカラスがやって来る。

「東京愚連隊興行12・11後楽園大会の新ポスター

東京愚連隊興行12・11後楽園大会の新ポスター

 テリー・ファンクとミル・マスカラスを知らないプロレスファンはいないだろうけれど、もしものために説明しておくと、このふたりは過去40数年の日本のプロレス・シーンでもっともファンに愛された外国人レスラーで、テリーはテキサス育ちの典型的なオール・アメリカン・カウボーイ、マスカラスは本国メキシコだけでなく世界でいちばん有名なマスクマンだ。テリーは1944年生まれの70歳で、初来日は70年(昭和45年=26歳)。マスカラスは――年齢については諸説があるが――1942年生まれの72歳で、初来日は71年(昭和46年=29歳)。プロレスのキャリアはいずれもことしで59年(デビューは1965年)。一般的知名度も高く、ふたりとも岩波書店の『世界人名大辞典』に収録されている。

 先日、全日本プロレスの『世界最強タッグ』開幕戦のウィットネスとして来日し、73歳の高齢でリングに上がったドリー・ファンク・ジュニア(テリーの兄)と同様、テリーとマスカラスの“ワンナイト来日公演”もジャパニーズ・オーディエンスのためだけにプロデュースされた非日常的、非現実的なエキシビションといった色合いが強い。プロレスというジャンルに競技スポーツとしてのリアリティーやアスリートの身体能力ばかりを求めてしまうと、ドリーやテリーやマスカラスの“人間国宝プロレス”の芸術性、神秘性はなかなか理解できないかもしれない。

「マスカラスを呼ぼう!」「マスカラスが来てくれるなら、テリーにも来てもらおう」と“TOKYO DREAM2014”をプロモートしたのはNOSAWA論外である。

●東京愚連隊興行“TOKYO DREAM2014”
12月11日(木)東京・後楽園ホール 開場17時30分 試合開始18時45分


▼メインイベント Tokyo Dream 6人タッグマッチ
ミル・マスカラス       NOSAWA論外(東京愚連隊)
テリー・ファンク   VS   藤原喜明(藤原組)
船木誠勝(W-1)       カズ・ハヤシ(W-1)

▼東京世界ヘビー級選手権
(王者)FUJITA   VS   MAZADA(挑戦者)

▼スペシャル・ハンディキャップ6人タッグマッチ
高木三四郎(DDT)       菊タロー(アキバプロレス)
アジャ・コング     VS   めんそ~れ親父
(OZアカデミー)
清水 愛(フリー)        志田 光(フリー)

▼“ムーの太陽”VSリキエンタープライズ6人タッグマッチ
ザ・グレート・サスケ       サスケ・ザ・グレート
(みちのくプロレス)
バラモン・シュウ    VS    百田光雄(リキエンタープライズ)
バラモン・ケイ          力(リキエンタープライズ)

▼アタックチャンス~村上和成復活祭~タッグマッチ
高山善廣(高山堂)        稲葉大樹(W-1)
村上和成       VS     村瀬広樹(W-1)

▼ワクチンファイト提供試合~ワクチンファイトinスーパーマサオワールド2~
鈴木みのる(パンクラスMISSION)     嵐(天龍プロジェクト)
佐藤光留(パンクラスMISSION)   VS  井上雅央(フリー)
甲斐拓也(ワクチンファイト)        那須晃太郎(U-FILE CAMP)

 “TOKYO DREAM2014”の興行用ポスターをfacebookにアップしたとたん、日本語が読めないアメリカのプロレスファンのあいだで「トーキョーでテリー・ファンクとミル・マスカラスのシングルマッチが実現するらしい」というウワサが流れた。

 メインイベントのテリー&マスカラス&船木対藤原&ハヤシ&NOSAWAの6人タッグマッチは、なんの脈絡もない世代の異なる6人のプロレスラーの寄せ集めのようにみえて、じつはNOSAWAなりに考えに考えぬいてひねり出したカード編成なのだという。そもそも、“プロレスラーである自分”がどうしてもレジェンドたちと試合がしたくて、“プロレスファンである自分”がレジェンドたちと交流を深めたくて、NOSAWAはこれまでさまざまな自主興行を手がけてきた。マスカラス、ドス・カラス、アブドーラ・ザ・ブッチャー、サブゥー、ドクトル・ワグナーJr、バンピーロ・カナディアンセ、そして今回のテリー。NOSAWAは“伝説の男たち”とのダイレクトでパーソナルなコネクションを“プロレス者”の財産ととらえている。

 NOSAWAのプロレスラーとしてのキャリアは19年。1995年(平成7年)、PWC(プロレスリング・クルセーダース)という弱小インディー団体でデビューし、97年(平成9年)にはDDTの旗揚げに参画。その後、フリーの立場でメキシコ、アメリカ、ヨーロッパ、プエルトリコ、グアテマラと世界各地を長期間ツアーし、国内ではFMW、全日本プロレス、新日本プロレス、ZERO-1、ハッスルと各団体のリングで活動。現在はW-1のシリーズ興行にレギュラー出場している。東京愚連隊は団体や興行会社ではなく気心の知れた仲間たちが集まりたいときに集まる集団で、正式メンバーはNOSAWA、MAZADA、FUJITA(藤田穣)、KIKUZAWA(菊タロー)の4人。東京世界ヘビー級王座というチャンピオンシップを自分たちで勝手に認定している。

⇒【後編】に続く https://nikkan-spa.jp/755127

文責/斎藤文彦

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※このコラムは毎週更新します。次回は、12月3~4日頃に掲載予定!





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