ついにHKT48が登場。AKB48が国家プロジェクトに!?
―[山田ゴメス]―
ベテランライターが原点回帰のドサまわり。独断と偏見で選んだ、巷をにぎわすニュースを猛追跡!
【記者・ゴメスが追う 第1回】
10月23日。埼玉県・西武ドームの握手会イベントにて、HKT48(ハカタ)の総メンバー21名がお披露目された。国内の地固めだけではなく、ジャカルタのJKT48、台北のTPE48……と、着々と海外進出をも目論むAKB48プロジェクト。
まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだが、そんな秋元康氏の多角的かつインターナショナルな動きを1年以上も前から予言し、しかもそれを「国家プロジェクトにすべき!」と主張していた人物がいた。アイドル評論界のドン・北川昌弘さんだ。
◆より将来性を見込んだ、HKT48のフレッシュさ?
「HKT48は、とにかくフレッシュ! なんせ平均年齢13.8歳、最年長者が17歳(菅本裕子)ですから。NMB48のときも『若い!』と感じましたが、今回はそれ以上。SKE48やNMB48のように早い段階から全国展開をしていくのか、それとも若い才能を地元でじっくりと育てるつもりなのか、今後の方向性が注目されます」(アイドル評論家・北川昌弘さん)
地域幅・年齢層……、と盤石な全包囲網的シフトを国内で完成しつつあるAKB48グループ。また10月9日、ベトナムのハノイ市で開かれた『第2回日越友好音楽祭』では、高橋みなみが、ジャカルタのJKT48、台北のTPE48に続く新ユニットに期待を寄せる、こんな発言も。
「今度はVTN(ベトナム)48をつくれないか、秋元康さんに聞いてみます!」
現実的な可能性は別にして、彼女が提唱するベトナムは「場所的に的を射ている」とアイドル評論家の北川昌弘さんは指摘する。
「景気に少し潤いが出はじめたとき、逆に景気に陰りが見えはじめたときにアイドルは一番受け入れられやすいんです。日本でAKB48が受けているのは典型的な後者のケースですが、前者のケースで言えば、ジャカルタだとかベトナムは戦略としてイイ線を突いているのではないでしょうか」(北川さん)
そもそも筆者が北川さんに会って、AKB48を軸とするアイドル論をお伺いしたのは1年以上も前だった。ようやく名古屋のSKE48が軌道に乗りだし、まだ「今度は大阪にもユニットできるらしいよ」といった噂がまことしやかにささやかれはじめていた時期である。
そんなころから北川さんは、早くも「決して大げさではなく、日本経済を立て直すためには、韓国の“少女時代”や“KARA”のように、国家プロジェクトとして政府が本気でAKB48の世界進出をサポートすべき。もうあまり時間的な余裕はありません。他の国にバッタモンをつくられて、逆輸入されたらおしまいだから」と、警鐘を鳴らしていたのだ。
「AKB48こそ、構造不況に震災が襲い、泥沼と化したニッポンにおける一筋の光明なんです。製造業を中心に輸出が行き詰っている昨今、たよりにすべきは日本のポップカルチャー。マンガ、アニメ、ゲームに加え、アイドルとファッションとをうまく連動して、アジア、さらには世界展開するしかない。現状において、その先兵というか、切り札的存在がAKB48だと僕は思う」(北川さん)
◆夢は、ワールドじゃんけん大会?
ここで問題になってくるのが、AKB48人気の今後について。
過去のアイドルブームと照らし合わせても「そろそろヤバイのでは?」という声もチラホラ……。しかし、北川さんはそんな消極的な論調をも一刀両断する。
「予測や分析なんてしてる場合じゃない。今、人気がある、数字が取れることが重要なんです。一番勢いがあるモノに乗っかるべきなんです。これからは国家レベルの展開で、AKB48みずからが海外に乗り込み、アイドルユニットの魅力をアピールしつつ、フランチャイズ化を進め、楽曲はもちろん、日本のポップカルチャー全体を売り込んでいくべき。そして、いずれは“オールジャパン・超選抜”だとか“オールアジア超々選抜”だとかをつくって、世界に打って出ればいい。さらには全世界総選挙だとかじゃんけん大会まで開催できれば素晴らしいじゃないですか」(北川さん)
政府のお偉方、ここまで壮大な絵を描くことができるプロジェクトが、なにかほかにあるなら、言ってみてください!
【山田ゴメス】
1962年大阪府生まれ。マルチライター。エロからファッション、音楽&美術評論まで幅広く精通。西紋啓詞名義でイラストレーターとしても活躍。日刊SPA!ではブログ「50にして未だ不惑に到らず!」(https://nikkan-spa.jp/gomesu)も配信中。現在「解決!ナイナイアンサー」(日本テレビ系列)(http://www.ntv.co.jp/99answer/)に“クセ者相談員”として出演。『クレヨンしんちゃん たのしいお仕事図鑑』(双葉社)も好評発売中!
取材・文/山田ゴメス大阪府生まれ。年齢非公開。関西大学経済学部卒業後、大手画材屋勤務を経てフリーランスに。エロからファッション・学年誌・音楽&美術評論・人工衛星・AI、さらには漫画原作…まで、記名・無記名、紙・ネットを問わず、偏った幅広さを持ち味としながら、草野球をこよなく愛し、年間80試合以上に出場するライター兼コラムニスト&イラストレーターであり、「ネットニュースパトローラー(NNP)」の肩書きも併せ持つ。『「モテ」と「非モテ」の脳科学~おじさんの恋はなぜ報われないのか~』(ワニブックスPLUS新書)ほか、著書は覆面のものを含めると50冊を超える。保有資格は「HSP(ハイリー・センシテブ・パーソンズ)カウンセラー」「温泉マイスター」「合コンマスター」など
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