「首都圏・鉄道インフラ」に潜む危険ポイント――架線の支柱倒壊事故は氷山の一角!?
5/12発売の週刊SPA!「[首都圏インフラ]老朽化の危機」では、鉄道以外にも首都高、上下水道などさまざまな東京のインフラの危機的状況を探っている。 <取材・文/週刊SPA!編集部>
世界有数の鉄道網を誇る首都圏。その利便性は今さら説明するまでもないが、ひとたび事故が起きれば、その影響や被害は計り知れない。
それは、先日JR山手線と京浜東北線が走る線路内で起きた架線の支柱倒壊事件でも明らかだ。この事故からも明らかなように、高架線と盛り土区間は要注意なのだ。
「意識して町を歩かないと気づきませんが、東京は山あり谷ありの土地なので、高架は必要不可欠です。しかし、特に古くからある高架線は、周囲や高架下にお店が密集しているので、耐震工事を進めるのも難しい。鉄道は走ればレールに負荷がかかることは避けられないので、横滑りの可能性がある盛り土区間など、グラウンド・レベル以外はどうしてもリスクが高くなります」(防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実氏)
実際に都内の高架線を調査すると、レンガが崩れ、大きな亀裂が目立つなど、素人目にも崩落の危険性は一目瞭然だった。
いっぽう、見た目には危険が伝わりづらいのが地下鉄だ。
「戦前に作られた路線は意外に頑丈。ただ、戦後直後から東京五輪までに突貫工事で作られた路線はかなり脆弱で、危険性が高いと言われています」(鉄道業界の関係者)
さらに、最も怖いのは“地下水”の問題だとか。
「東京はもともと地下水の豊富な地域。地下鉄の隧道の繋ぎ目など、構造上脆弱な部分から地震によって水位が上昇した地下水が流れ込むと、地下鉄内に多量の水があふれることにもなりかねません」(鉄道関係者)
東京のインフラの多くは、51年前の東京五輪直前に作られた。そしていま、二度目の東京五輪を前にしてそうしたインフラの多くが老朽化の危機を迎えている。
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