無印良品の傑作スニーカーを「紐」でさらに大人っぽく
―[メンズファッションバイヤーMB]―
メンズファッションバイヤー&ファッションブロガーのMBです。洋服の買いつけという本業の傍ら、ブログやメルマガで「オシャレのルール」について発信していたところ、こちらで執筆させていただくことになりました。連載第29回目をよろしくお願いします。
▼紐の変更はお手軽なカスタマイズ
「スニーカーの紐を変えてカラフルにしよう」……という「カスタマイズ」が数年前高校生を中心に流行ったことがあります。緑や青のカラフルな紐や、星マークやハートマークの入った紐など、「数百円でスニーカーの印象を手軽に変えちゃおう!」というものですね。今でも実践している学生などたまに見かけます。「お金をかけずに手持ちのモノをアップグレードしたい」というのは学生に限らず、どの世代も同じかと思います。
今回はそんな「紐替えカスタマイズ」の大人版を紹介します。あなたの靴箱に眠っているスニーカーが生まれ変わります。
▼「カジュアルなスニーカー」を「ドレスな紐」で大人っぽくカスタマイズ
普段、「靴の紐」はあまり意識されることがないのですが、実は印象を大きく左右します。例えば、「コンバースのオールスター」などに代表されるハイカットスニーカーであれば、前面から見たときに視界を大きく占めるのは「紐」です。パッと見はボディより紐のほうが目につくほどです。たかが紐、されど紐なんです。スニーカーにおける「紐」は大きな面積を占めている以上、意外と見過ごされがちなのですが、印象を左右するとても重要なパーツになっているのです。
「靴の紐」は大きく分けて「丸紐」と「平紐」の2種類があります。紐の形状が丸いものを「丸紐」、形状が平たく太いものを「平紐」と呼びます。お手持ちの革靴とスニーカーを見比べてみれば、「丸紐」は主にドレスシューズに、「平紐」はスニーカーに使われていることがわかるかと思います。スーツ用品などドレスアイテムは基本「シャープ」な形を好み、スニーカーなどのカジュアルアイテムは逆に「ルーズ」な形を好むものですが、その志向が細部である紐でも表現されているわけです。
今回はこのギャップを活かして「カジュアルなスニーカー」に「ドレスな丸紐」を使い、「大人向けのスニーカー」に仕上げてみましょう。
▼実際に紐を変えてみよう
以前こちらの記事「無印良品のスニーカーは、オールスターの不満点を解消した逸品」ででオススメした無印良品のスニーカーの紐を、平紐から丸紐に変更してみました。ブーツのような、ドレスシューズのような印象が加わったかと思います。太さのある平紐も安定感があっていいのですが、どこか少し子供っぽさが残ります。一方、華奢で細い丸紐は、大人っぽさを加味してくれます。随分引き締まった印象になりました。
この無印のスニーカー、以前もオススメしたとおり、非常に大人っぽくキレイなデザインです。ソールから細かい部分までオールホワイトで仕上げたシンプルな顔と薄いソール、細めのフォルムが、スニーカーながら「革靴」のような印象を与えてくれます。「オールスターってどうしても子供っぽくて嫌だな」と思っている30代以上の男性にオススメなのですが、さらに今回の「丸紐カスタム」をすることで、ブーツ顔負けの落ち着いた印象に変化します。
ついでに手持ちの使い古したローカットスニーカーも丸紐でカスタムしてみました。丸紐に変えたことでカジュアルな印象だったスニーカーが、クラシックな見た目に。また「紐」は通常汚れやすい綿素材のものが多く、使い込んでいるとすぐに黒っぽく変色してしまします。そこで、新品の紐に替えることで古いスニーカーが新鮮な見た目に生まれ変わります。
⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=872344
ちなみにこの丸紐。どこにでも売っている普通の紐です。ABCマートなどの靴屋や、ホームセンターなどでも販売されていますが、注意すべきは「長さ」です。「丸紐ならなんでもいいや」とローカット用を購入してしまうと、中途半端な位置で長さが足りなくなってしまいます。購入の際は一度紐をほどいて長さを測ってからにしましょう。
また、丸紐に替えると「機能的なメリット」もあります。平紐から丸紐に変えると紐の「細さ」が変わるので、通す穴がガバガバになります。ですから、先端の紐を引っ張るだけで「キュッ!」と紐を即座に締めることができ、脱着がスピーディーになります。紐靴は朝急いでいる時や、居酒屋で靴を脱ぎ履きするときにおっくうなものですが、丸紐ならばすぐに脱着することができて大変便利です。「丸紐カスタマイズ」――オススメです。<文/MB>ファッションバイヤー。最新刊『MBの偏愛ブランド図鑑』のほか、『最速でおしゃれに見せる方法 <実践編>』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag)『MBの偏愛ブランド図鑑』 今着るべきブランド60の歴史や特色を、自身が愛用する品とともに徹底紹介 |
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