担当編集Kです。野心はありませんが、憧れはあります。それは、いつかはSUVに乗りたい!という憧れです。そんなワタクシの目には、ボルボの新型SUVがとってもキラキラして見え、どうしても乗ってみたくて、企画にしてしまいました。今回当コラムを私物化してしまったことを、深く反省しております、土下座。
MJブロンディ=文 Text by Shimizu Souichi
池之平昌信=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu
MJ:今回、キミの強い希望でこのデカいボルボを取り上げることになったんだけど、なんで?
担当K:え~、カッコいいじゃないですか! これまでのボルボに比べると圧倒的です。
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一番安いグレードなら5年後400万円台にならないかな~と思ってますが、新車がたくさん売れないと中古車も出回らないので、お金持ちのみなさま、よろしくお願いいたします(担当K)
MJ:そうかあ? ボルボはV40だってカッコいいしずっと安いしディーゼルもある。こんなバカでかくて1000万円近くするクルマをSPA!で取り上げる意味って何?
K:このクルマ、なんと7人乗りなんですよ! それにプラグインハイブリッドモデル(PHEV)もある。すごいじゃないですか!
ボルボXC90はすべて2リッターのガソリンエンジンを搭載。ターボのみのT5(774万円)、ターボ&スーパーチャージャーのT6(879万円~)、ターボ&スーパーチャージャー&モーター(PHEV)のT8(1009万円)をラインナップ
MJ:PHEVはまだ輸入始まってないじゃない!
K:まあそうですけど、PHEVの7人乗りSUVなら、SUV嫌いの清水さんでも評価が高いんじゃないかと想像しまして。
MJ:『ENGINE』(富裕層向けカー雑誌)でなら評価するけど、SPA!の読者層は貧乏サラリーマン。PHEVの7人乗りSUVが1009万円です~って書いて、誰が読むんだよ!!
K:走る姿はパルテノン神殿じゃないですか! 貧乏人だからこそ憧れるんです! 僕も5年後くらいにこれの中古が400万円くらいになったら欲しいな~。いつかこれに乗って、家族で苗場にスキーに行きたいです!
MJ:今日び、足グルマに400万円なんてカネをドブに捨てるようなもんだ。だいたいこのクルマ、7人乗りったって3列目は屋根裏部屋だぜ!? 乗り降りだって大変だし、そんなところに誰を乗せんのよ!!
K:奥さんですかねえ。
MJ:まず拒絶されるね。子供は穴倉みたいだって喜ぶかもしんないけど。このクルマ、こんなにバカデカいくせに、なぜこんなに3列目が狭いと思う?
K:なんでですか?
MJ:そもそもSUVはスペース効率が悪いからだよ。背が高くても床も高いから天井はあんまり高くないし、全長は長くてもデザイン優先だから室内長はそんなに長く取れない。悪路なんて日本にないから走破性も無意味。結局SUVは完全な流行もんで機能はゼロ。やっぱり7人乗りならミニバンなんだよ!
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ただし、国産ミニバンの3列目と比べると狭いのは確か。
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他メーカー同クラスではオプションの3列目シートが標準装備。
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試乗車両は上級グレードのT6 Inscription(909万円)。
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ボルボならではの安全装備がテンコ盛りです
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K:所帯じみた国産ミニバンに乗りたくないから、こういう7人乗りSUVに憧れるんですが……。
MJ:いや、7人乗りならついこの間、わが家の足グルマとして納車されたシエンタが地上最高だろ!
K:やっとシエンタがきたんですね。何色ですか?
MJ:黄色だよ。黄色いシエンタならデザイン最高、色も最高。シトロエンC4カクタスと比べてもオシャレ感で遜色なし! そして室内のユーティリティは人類史上最高! 我らがトヨタの大傑作! XC90よりはるかに小さいのに、室内の広さはずっと上! 値段なんか4分の1くらい! 5年後にはたぶん100万円以下で買えるよ!
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7人乗りならシエンタで十分だ!
K:5年後に100万円の中古シエンタに乗るのって、あんまりワクワクしないんですけど……。
MJ:ワクワクしたいならフェラーリを買え! んで足グルマはシエンタ! フェラーリなら値落ちしないし、むしろ値上がりすっかもしんないから。
K:つまりMJさんは、シエンタとフェラーリの組み合わせを勧めるわけですね?
MJ:そうだよ! こういう高級SUVは、『ENGINE』読者様にまかせときゃいい!
K:僕も一応『ENGINE』の底辺読者のつもりなんですが……。
MJ:じゃ言うけど、このクルマだったらPHEVよりディーゼルが欲しいね~。こんなデカいSUVをチマチマ充電すんのってどうよ?そんなら軽油100リットルくらいブチ込んでブイブイ走ったらどうなんだ!? ボルボはディーゼルに限る!
K:マツダはミニバン生産から撤退して、SUVに集中するらしいですけど……。
MJ:それとこれとは話が別!
【結論】
今回、このような読者様とはまったく完璧にカンケーないクルマを取り上げてしまい、本当に申し訳ございません。Kにはその旨厳しく言っておきます。今後は必ず役に立つ記事を書かせていただきます
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『
そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『
首都高速の謎』『
高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中