“レッスルマニア8”6万2167人動員――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第123回
“レッスルマニア”と“スキャンダル”。ポジティブなイメージとネガティブな響き。明るい話題と黒いウワサ。46歳だったビンス・マクマホンは、その選択をマスメディアではなくプロレスファンにゆだねようとしていた。
“ステロイド疑惑”がテレビのニュース番組やトークショー、新聞の社会面をにぎわせた。『ニューヨーク・ポスト』紙が告発記事を掲載した、WWEのエグゼクティブによる未成年者への“ホモセクシャル・ハラスメント疑惑”に後追いの活字メディアが飛びついた。
“ステロイド疑惑”と“セクハラ疑惑”につづく第3のスキャンダルとしてビンスと女性レフェリーの“不倫疑惑”が一部メディアに報道された。そんな状況が1年以上もつづいた。
“ステロイド疑惑”におけるマスメディアの標的はハルク・ホーガンで、“セクハラ疑惑”ではWWEオーナーのビンスに批判が集中した。“ミスター・マクマホン”が連続ドラマの登場人物になるのは1990年代後半からで、この時代のビンスはWWEオーナーとしての“正体”よりもプロレス番組の実況アナウンサーとしてのパブリック・イメージを大切にしていた。
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