伊藤美誠を励ます福原愛の姿に涙…【卓球女子団体 銅メダル・現地リポート】
―[リオ五輪]―
福原愛、石川佳純、伊藤美誠の日本女子がシンガポールを3-1で下し、銅メダルに輝いた。前回のロンドン五輪の銀に引き続いて、2大会連続のメダル獲得の栄誉に輝いた。
記者も日本の銅メダル獲得をこの目で見ようと、卓球会場のあるバーハ地区を訪れた。3位決定戦は朝11時(日本時間23時)ということもあり、2時間前に市内の宿を出た記者。軽く1時間半はかかることは体験済だったが、朝の通勤ラッシュに巻き込まれ、会場到着が試合開始直後という失態を犯してしまった。
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バーハ地区のメイン会場「オリンピック・パーク」からは徒歩で15分ほど離れた「リオ・セントロ」という場所にある会場。ここは展示会などが行われる巨大な敷地で、東京で言えばビックサイトのようなところで、別棟ではボクシングやバドミントンなども行われており、会場を間違うと、とんでもないことになるので注意が必要な施設だ。
記者が入場したときは、第1セットがすでに始まっており、1番手の福原愛選手が1セット目を取ったところだった。平日の午前中の試合ということもあり、客席は5割ほどの入り。しかし、日本の応援団や、地元のブラジル人で歓声はヒートアップしていた。
決勝進出をかけた、準決勝で2つ負けてしまって「足を引っ張ってしまった」と悔いていた福原選手。記者もなんとか勝ってほしいと願ったが、惜しくも逆転負け……。
しかし、2番手の石川佳純選手が相手エースにストレート勝ちすると、次のダブルスでは15歳の伊藤美誠選手と組んだ福原選手が再び登場。第1セットは取られたものの、気合いの「サー!」連発で相手を3−1で逆転で退ける。
一気に勢いに乗ると、最後の伊藤美誠選手のシングルスは3-0と完勝! 見事銅メダルを獲得した。
勝利の瞬間、顔を覆って涙に暮れる福原選手。キャッキャと跳びはねる石川選手とは対照的。最後の勝利を掴んだ伊藤選手の堂々とした立ちふるまいにはちょっと驚いてしまった。
伊藤美誠選手のシングルスの試合前には、まるで念を送るように、アドバイスする福原選手の姿が。試合中も、点を取られ窮地に立つたびに、「落ち着いて」と言わんばかりにゆっくりと手拍子し、伊藤選手を励ます福原選手の姿に、試合中から不覚にも涙が止まらなくなった記者。
また、途中から日本サッカーの応援グループが合流し、コールをかけると会場中がそれに呼応。まるで3人の後押しをするように、大きな声援が渦巻いた。
勝利が決まると、会場を1周した3選手。石川選手、涙に暮れる福原選手、そして伊藤選手が目の前を通る。多くの日本人や各国のファンがスタンド最前列まで駆け寄って「おめでとう、おめでとう」と祝福の言葉をかける。そのひとつひとつに応え、記念撮影にも応じる3選手の清々しさにはまた胸がいっぱいになってしまった。
この女子の勢いをそのままに、男子にはぜひとも「金」を獲ってほしい。
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