リオ五輪・女子マラソンをスタートからゴールまで追いかけて観戦。冬なのに気温30℃超えで観客もフラフラ
―[リオ五輪]―
現地時間14日に行われた、女子マラソン。日本期待の福士加代子、田中智美、伊藤舞が出場したが、それぞれ14位、19位、46位の結果に終わった。
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この競技を観戦にいった記者。当日は朝9時半のスタートということで、宿を8時には出て、スタート&ゴール地点のサンボドロモに8時半に到着した。このサンボドロモ、1年に1回のリオのカーニバルのためにつくられた常設のスタンドで、スタート&ゴールに陸上競技場を使わないあたりにサンバの国のプライドを感じるのだ。
現場につくとすでに大勢の報道陣とスタッフがピリピリムードで準備にあたっていた。ただ、日曜の朝ということで、観客は思ったより少なく、チリ人とペルー人の応援団が目立った。この時点で気温計は22℃であったが、とにかく日差しが強い。ずっと曇りがちで、一応、真冬を感じさせる、長袖着用の日々が続いたリオだが、この日はまさにピーカン。30℃は超えそうな勢いの日差しである。
9時半スタート。1kmほど続く、サンボドロモの端から選手が一斉に向かってくる。日本選手は3人固まって、前方の位置につけていた。あっという間に選手が通り過ぎると、すぐに爆音が。なんと地元のサンバチーム、ウニアン・ダ・イーリャがカーニバルさながらの演奏と踊りを始め、残っている観客を喜ばせた。
ここからは地下鉄で移動。周回コースを3周回る舞台となる、フラメンゴ公園へと向かう。各国の応援団や、コーチ、関係者も地下鉄で移動している。フラメンゴ公園に着くとそこは大勢の観客が選手たちに大きな声援を送っていた。日本からの応援団もかなりおり、あちこちで日本語の声援や会話が聞かれた。
スタートして40分ほど、気温はかなり上がっている。しかもアスファルトの照り返しがかなりキツく、ただ見ているだけの記者も軽いめまいを覚えるほど。観客も選手が通るときは沿道に出て声援を送るが、選手が通り過ぎると、木陰に避難し、水分を摂る人が目立った。
この時点で福士選手が先頭集団に食らいついていたが、徐々に遅れ始める。最後の周回で記者の目の前を通ったときはスポンジを手に顔を歪める姿があった。その他の選手も皆、苦しそう。急激な気温の上昇が体力を奪っているようだ。
周回コースを見終わったあとは再び、ゴール地点へ地下鉄で戻る。サンボドロモの最寄り2つ前の駅で降りて、ゴールに向かって長い直線コースを歩く。するとリタイアした選手に出くわした。どこから歩いてきたのだろうか、うなだれながらゴール地点へ一人歩いてく。
8車線はある大通りは完全に交通規制され、運営車両以外は車一台もいない。スタッフや警備もパラパラいるほどで、沿道に人がほとんどいないというレアな光景だった。しかも日差しを遮るものがなにもなく、直射日光を浴びすぎて頭がぼうっとするほど。「ここで強盗に襲われたら誰も助けてくれないな……」と少し恐ろしくなったりもした。
しばらくすると陽炎のなか先頭の選手が見えてきた。しかし、どの選手も顎が上がっており、本当に苦しそうな表情。街頭の気温計は29℃(約1km先のゴールは33℃だった)を指しており、苦闘のほどがしのばれる。日本選手も次々と通過したが、最後の気力を絞っているよう。
日本選手が通過した後、突然、観客の女性が乱入し、暴れるというアクシデントがあったが事なきを得た(この日はあちこちで暫定大統領の弾劾を求める集団が乱入するというパプニングがあった)。沿道は各国の旗を持った観客が、国籍など関係なく、最後の選手が通過するまで大きな声援を送り続ける姿は印象的だった。
男子マラソンは大会最終日にある。観る方にも選手のためにもこれ以上暑くならないことを切に祈りたい。
- 木陰にいないとかなり厳しい気温だった
- 「アニョハセヨ~」沿道に突然現れた金正恩総書記(?)
- 蜃気楼と車列がすごい
- ゴール地点は33℃
- ゴール奥にはリオのファベーラ(スラム街)が
- 今日は脇役だったサンバ
―[リオ五輪]―
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