新日本プロレス VS UWFインターナショナル全面戦争――フミ斎藤のプロレス読本#106【特別編】新日本プロレス対UWFインターナショナル全面戦争
―[フミ斎藤のプロレス読本]―
1995年10月9日、東京ドーム
第1試合30分1本勝負
永田裕志&石澤常光 対 金原弘光&桜庭和志
第2試合15分1本勝負
大谷晋二郎 対 山本健一
第3試合30分1本勝負
飯塚高史 対 高山善廣
第4試合30分1本勝負
獣神サンダー・ライガー 対 佐野直喜
第5試合30分1本勝負
蝶野正洋 対 宮戸優光(宮戸のUインター退団により中止)
第6試合45分1本勝負
長州力 対 安生洋二
第7試合45分1本勝負
佐々木健介 対 垣原賢人
第8試合セミファイナル45分1本勝負
橋本真也 体 中野龍雄
第9試合メインイベントIWGPヘビー級選手権試合60分1本勝負
(王者)武藤敬司 対 (挑戦者)高田延彦
“十三万四千の瞳”である。平成7年10月9日、東京ドーム。『激突 新日本プロレス対UWFインターナショナル 全面戦争』。
プロレスっていったいなんなんだろう、という問いへの答えをみつけに、みんなが東京ドームに集まった。
石澤常光と永田裕志が長い花道をかけ抜けてきた。大谷晋二郎が山本健一の首根っこをつかまえてリング下に放り捨てた。
佐野直喜が場外の獣神サンダー・ライガーにトペを見舞っていった。
ライガーはプロレスの申し子。ほんとうはレスリングだけですべてを表現できるアスリート・アーティストである。でも、やっぱりしゃべりたくてしゃべりたくて仕方がなかった。
「あんまり個人的な感情は出しちゃいけないんだけど」と前置きをしてから、Uインター佐野への想いをいっきにぶちまけた。
「プロレスに未練がないといったらウソでしょ」
「心の底に願望がなかったら、あの技(トペ)は出ないもん」
「(試合には負けたが)佐野さんの人生には勝った。だって、あれは偽りの人生だもん。あー、興奮しちゃった」
UWFが偽りの人生だとしたら、これはたいへんなことだ。ライガーは、かつての同期・佐野をなんとか純プロレス的なボディー・ムーヴメントに引きずり込もうと躍起になった。
佐野は佐野で、おたがいに歩み寄れるレスリングの座標軸をタイガー・スープレックス・ホールドに設定していた。Uインターのルールであればスープレックス・ポイント、通常のプロレス・ルールなら“大技”。
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