更新日:2022年10月24日 01:06
エンタメ

ベテランカメラマンはなぜ25年もストリップを撮り続けたのか?

 「女性優先席」や外国語での案内を出す劇場が登場するなど、ストリップ界には大きな変化が起きている。25年前からストリップを撮り続け、今年3冊目の写真集を(『love dancer second』。徳間書店。11月22日発売)出版する カメラマン・大駅寿一氏に話を聞いた。
繁華街

※写真はイメージです

羽交い締めにされて追い出されたことも

 こっそり劇場に入れてもらい、初めてストリップを観たのは高校生のとき。その後、夕刊紙で仕事を始めたが、当時の劇場は今とは違ってピリピリした雰囲気だったという。 「アポを取るのにも1週間かかるような世界です。4回ぐらい電話して、さらに前日直接挨拶に行って、ようやく撮れました。お客さんも強面が多く、許可を得て撮っていたのに、羽交い締めにされて追い出されたこともあります。まぁ、ずんぐりむっくりで、とっちゃんぼーやなルックスなので、カメラマンに見えなかったんでしょうね(笑)」  しかし、近年は業界も急激に変化。女性ファンが増え、地域によっては外国人の観光客も訪れるようになっている。 「ファンやスタッフにも女性や若いコが増え、雰囲気が変わりましたね。劇場も今はクリーン。女性ファンが増えていることに関しては、男性ファンも視線を気にしてより上品な雰囲気を心掛けるので、いい効果をもたらしていると思います」  こうして客層が変化している背景には、踊り子側にも理由があるのではないかと大駅氏は指摘する。 「昔はたしかに“生粋”と呼ばれるストリップ専門の踊り子と、AV出身の踊り子の間に温度差がありました。『私たちは踊りだけで食っている』。ネームバリューだけで、ずかずか舞台に上がり2足の草鞋を履くAV出身者をよく思もわないという嫌な空気感がありました。今ではAVでも踊り子でも関係ない。面倒見のいい先輩も増えていてすごくアットホームな雰囲気です。それもあってお客さんが増えているのではないでしょうか。」  このように劇場の受け入れ体制や客層、踊り子の構成などが変わりつつあるストリップ業界。ファンを魅了する踊り子のレベルも上がっている。
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今もストリップの文化自体は衰えていない
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ライター・編集者。日本人の父、ポーランド人の母を持つ。日本語、英語、ポーランド語のトライリンガルで西武ライオンズファン

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