「るろ剣」だけじゃない! 続編が読みたいマンガは?
『るろうに剣心』の続編にあたる「北海道編」がジャンプスクエアで連載されているさなか……作者である和月伸宏が児童買春・児童ポルノ禁止法違反(単純所持)容疑で書類送検された。続編のストーリー協力には、妻で作家の黒碕薫も名を連ねていたことから、大きな期待がかかっていたが、まだ三話目の時点で書類送検――。当面の間、休載することが明らかになった。これには、続編を楽しみにしていた多くの読者がガッカリしたのではないか。
これまでのマンガ史を振り返ってみても、中途半端な終わり方をしたマンガは少なくない。和月伸宏の件はもちろん、様々な事情から途中で打ち切られたパターンもあるだろう。あるいは逆に人気絶頂だっただけに、最終回の余韻から続きが読みたくてたまらないという作品もあるのではないか。ちなみに、週刊少年ジャンプでは、人気作品『NARUTO -ナルト-』の続編にあたる『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』が連載中だ。主人公はうずまきナルトの息子であるうずまきボルトに引き継がれている。また、いち読者として納得できない終わり方だった作品も多々あるだろう。
今回は、日刊SPA!サイト上で『「続編が読みたい!」と思うマンガは?』というアンケートを実施。94名から回答が得られた。その理由と共に見ていきたい。
圧倒的な23人から票を得たのは、バスケマンガの王道とも呼べる『SLAM DUNK(スラムダンク)』。赤髪リーゼントの不良・桜木花道が、バスケ部主将の赤木剛憲(ゴリ)の妹である晴子に惚れて入部。ライバルの流川楓と切磋琢磨しながら全国制覇を目指す。
週刊少年ジャンプで連載が開始した’90年代の初期、バスケはマイナースポーツだった。スラムダンクの影響を受けてバスケを始めた読者もいるのではないか。筆者もそのひとりだ。余談だが、桜木花道が履いていたバッシュは“エアジョーダン”。しかしながら、当時はそんなにオシャレなバッシュは売られておらず(のちにスニーカーブームが到来し、プレミア価格となった)、ペラペラの上履きみたいな安いシューズでプレイしていたことを覚えている。また、安西先生の発した名言「諦めたらそこで試合終了ですよ」は、いまだったら流行語大賞に選ばれていただろう(笑)。
それはさておき、多くのひとから「花道のその後の成長が気になる」とのコメントがついた。花道の湘北高校は宿敵・陵南高校を破り全国大会に出場。高校バスケ界の頂点に君臨する山王工業と対戦することになった。しかし、試合中に背中を痛めていた花道。絶体絶命の中、「俺は今なんだよ!」とコートに復帰。奇跡の逆転を遂げた。その後、死力を尽くした湘北高校は3回戦で敗退。最後は花道が怪我のリハビリに励んでいるところで終わる。マンガは全31巻……とはいえ、物語は“ひと夏”に過ぎなかった。「主人公が高1で連載が終了。高3までの戦いが見たい」という意見も届いた。
また、連載が終了してから現在に至るまでバスケを取り巻く環境も大きく変わった。なかには「国内ではBリーグが設立され、続編がイメージしやすいから」というコメントもあった。
こちらも週刊少年ジャンプに連載されていた囲碁マンガ『ヒカルの碁』。原作はほったゆみ、作画は『DEATH NOTE』や『バクマン。』でも知られる小畑健。日本棋院所属の女流棋士・梅沢由香里が監修を務めていた。アニメ化され、小学生を中心に囲碁ブームを巻き起こした。連載開始当初、『ONE PIECE』などの派手なアクションマンガの多いジャンプ作品のなかでも囲碁という一見地味な題材で異彩を放っていた。
小学6年生だった主人公の進藤ヒカルが、平安時代の天才棋士の霊・藤原佐為と出会う。そして仕方なく囲碁を打つことになるが、塔矢アキラなどライバルの存在があり、次第にのめり込んでいくストーリー。のちに、ヒカルはプロ棋士へと成長した。
最終回の舞台は北斗杯という国際大会。その大将戦でヒカルは負けてしまう。単行本は全23巻。まさに人気絶頂のさなか、連載が終了。
「頂点にのぼり詰めるところまでは描かれていなかったので。でもダラダラと続けるよりかは、むしろ終わり方としては良かったのかも!?」
また、物語の序盤でキーマンとなっていた藤原佐為は、役目を果たしてヒカルの前から姿を消していた。「続編で成長したヒカルの前に佐為が現れてほしい」との声もあった。
いまの若者たちには馴染みが薄いタイトルかもしれないが、『めぞん一刻』は1980年代に恋愛マンガとして一世を風靡。作者は『うる星やつら』や『らんま1/2』『犬夜叉』などの作品でも知られている高橋留美子だ。
ボロアパート「一刻館」の住人である主人公の貧乏学生・五代裕作。日々、“問題アリ”な住人たちから部屋を侵略され、一刻館から出ていこうと思っていたが、新しい管理人で未亡人の音無響子にひと目惚れしてしまう。すれ違いやヤキモチ、二人の恋愛模様をユーモアを交えながら描いた、ラブコメディの金字塔とも呼べる作品。
最終回では、ようやく五代がプロポーズ。響子は亡き夫の墓前で、改めて出会いに感謝する。結婚した二人の娘が産まれたところで終わる。
「二人がどのような結婚生活を送っているのか知りたい」
「一刻館のみんなのその後、あとは音無さんの娘をヒロインにしてもう一度見たい」
などのコメントが集まった。ドタバタの挙げ句、感動的なハッピーエンドを迎えた作品だが、その余韻からさめたくないというひとが多かったようだ。これまで何度も実写ドラマ化された名作だが、いまでもネットではしばしば「配役はだれがいいのか」という議論が起きるほど。
「続編が読みたい!」と思うマンガは?
『SLAM DUNK』
『ヒカルの碁』
『めぞん一刻』
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