更新日:2022年11月20日 10:34
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Twitterで居場所を告知する神出鬼没の屋台バー、元公設秘書の店主が語る厳しさとは

かつて日本においてその存在はごく一般的であった屋台。夜ごとリヤカーを引くその形態は庶民に親しまれ、チャルメラの音に懐かしさを感じる人も多い。しかし、この数十年で激減した東京の屋台は今や絶滅の危機に瀕し、数を正確に知る者もいないという。迫る’20年の東京五輪に向けて、屋台文化消滅の危機感を抱いたSPA!取材班は、現存する屋台の声を聞くべく、夜の東京を駆けた――。
TWILLO

「TWILLO(トワイロ)」

楽じゃないけど最後の一台になるまで続けますよ

 屋台といえばラーメンとおでんだが、変わり種もある。ツイッター@Twillo0でその日の居場所を告知して、毎夜違う場所に現れる神出鬼没の屋台バー「TWILLO(トワイロ)」。店主・神条昭太郎さん(45歳)がお酒とシガーを提供している。 「以前は衆議院議員の公設秘書として国会に出入りしてました。でも、人にぶら下がるんじゃなくて自分の力で食べていこうって決心してこの業界に飛び込みました」 TWILLO 創業11年、自分の世界観を表現できることと、自由でいられること。そしてメシを食っていけることを追求して現在の形に行き着いたという。 「開店はツイッターでつぶやく時です。終わりも何時か決めてなくて、大概電車が走り始める時刻まで」  場所は「水道もトイレもある公園のそばとかいいですね。雨が降ったら高速のガード下に避難します」と話す。  都内各地で屋台を引いてきた神条さんは、屋台の現実の厳しさも直視してきた。 「屋台は絶滅危惧種だし、僕も決して楽ではない。でも、こうなったからには東京最後の一台になるまで続けてやりますよ」  語りつつ屋台を引く神条さん。明日はどこで見かけるだろうか。 TWILLO― 消えゆく[東京の屋台]の今 ―
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