「今どき就活」学生と人事の情報合戦 SNSは第ニの履歴書、女子大生から色仕掛けも…
就活シーズンが始まった。各地で会社説明会が開催され、大学生は履歴書やエントリーシートに書き込む志望動機や自己PRをどうするのか。悩んでいる頃だろう。かつては、いくらでも自分を偽ることができた。面接では、“設定したキャラ”を貫くことができれば「優秀な学生生活を過ごしていた」と認めてもらえたが、現在ではそうもいかない。
SNSやインターネット上は“第ニの履歴書”でもある。人事担当者は、設定されたキャラではなく、普段の姿を知りたがっているからだ。とはいえ、なかにはリテラシーが高くしたたかな学生も……。今回は「SNSと就活」をめぐる人事担当者と学生の情報合戦の様子をお届けしたい。
「へぇ、海外でボランティアを。それはすごいですねえ……」
東京・千代田区にある、某情報インフラ系企業の会議室で行われていたのは、同社の採用面接だった。倍率はざっと数百倍で、筆記試験や面接は全部で5回。今日の面接は、最終社長面接の前に行う、人事部長や、その他部署の課長級以上の社員が参加して行われたものだ。
「ここまで来る子たちだから、学歴もそれなりで成績も優秀。ただし、自分を誇大に表現する子、嘘をつく子が後を絶ちません。今はすぐわかってしまうのに……」
こう漏らすのは、同社人事部採用担当の主任・三田さん(40代・仮名)。今日面接した学生の多くが、学生時代に取り組んだボランティアや華々しい留学経験、インターン実績などを明るくハキハキと述べたのだが、そのうちの十数人の経歴について、さまざまな矛盾や、なかには明らかに嘘と思われるものが混じっていた。
「アフリカの貧困地域でボランティアをしたと。でもその子のフェイスブックを見てみると、ボランティアをしているはずの時期に、江ノ島にある海の家で酒を飲んでいる写真が上がっているんですよ。タバコを片手に水着のギャルと……しかも当時は未成年のハズ」
こうした事例は、枚挙に暇がないという。例えば、黒髪にリクルートスーツ姿で採用面接に来た女性をネットで調べてみると、ほとんど裸に近いような格好で参加した「ハロウィンパーティー」に関する自身のブログ記事がヒットした。色黒金髪の怪しい感じの男性たちに囲まれて、シャンパンボトルを一気飲みする写真、ゲロまみれになり、顔に落書きをされて寝ている姿……。面接で「お酒は飲みますか?」と聞くと「たしなむ程度、お酒は苦手で」などと返ってくるのだから、笑いをこらえるのに必死だ。また、こんな例も……。
「面接の直後に『××の面接終わったー!』などと自身のSNSに書き込み、その後不採用となった学生がいましたが、弊社の担当者を名指しでクソミソにこき下ろし、『クソ会社、あんな会社に未来はない』など好き放題に書いていました。さらには人事部員のフルネームやSNSアカウントを探し出してきて、その家族を侮辱するような発言まで。さすがに法的措置を考えたほど。SNSやネットに対するリテラシーの無さというか……結果的に採用しなくてよかった…となりましたが」
SNSやネット上の情報は“第ニの履歴書”…
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