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女性だけのシェアハウスに男が一人入居したら…やっぱりなにか起きるのか?

 テレビ番組『テラスハウス』のような男女の共同生活に対し、「出会いがあって楽しそうじゃん!」と前向きにとらえている人も多いかもしれない。しかし、すべてのシェアハウスがテラスハウスのようにキラキラしたリア充の空間だと思ったら大間違い。ここで筆者が実際に体験したかなりドライな男女共同シェアハウスの実態を紹介したい。 シェアハウスの現実

女性だけのシェアハウスに男が入居

 私(20代・男性)は大学4年生のとき、半年間だけシェアハウスで暮らしていた。同居人は同級生の女性2人。女友達は比較的多いものの、オタク気質の私はテラスハウスに住んでいるようなキラキラ人材とは無縁の存在。ぶっちゃけいうと、いまだ1回もテラスハウスを視聴したことがない。そんな私に突然女性2人からお誘いがかかったのである。 「國友くん(筆者)、じつは同居人の1人が引っ越ししちゃって部屋が空いているんだけどさ、一緒に住まない? 家賃は1万円くらいでいいからさ」  ちょうどこの頃、私は原因不明の幻聴に悩まされていた。なんだか住んでいるアパートの雰囲気も悪いし、昔この部屋で何かあったんじゃないか。そんなとき、女性2人から一緒に住もうというお誘い。家賃は激安、そのうえ2人とも結構可愛い。断る理由なんてなにもない。 「い、行きまっせ!」  ということで、男女3人の共同生活が始まった。ちなみに女性2人はどちらも彼氏持ちである。

周りからは偏見の嵐

 同居人の2人と私はすでに気の置けない仲間というくらいの関係性。いくら男女がひとつ屋根の下で暮らすとはいえ、色恋沙汰などは期待できない。実際に2人が私を誘った理由も「いまさらアイツと何かあるわけないでしょ(笑)」という感じ。良くいえば“信頼されている”、しかし悪くいえば“人畜無害”ということ。しかし周りからの目はだいぶ違った。やはりテラスハウスのように男女の間で何かが起こるに違いないと思い込んでいるようだった。 「女子2人と一緒に暮らす!? ハーレム状態じゃん、3人で一緒に寝られるじゃん! 最高!」  と、まあ男友達は総じてこういった反応だ。考えることはみんな一緒。「下着が見放題じゃん」とか「あわよくば関係結べるじゃん」とか。女性2人が不在のときに、わざわざ家に上がり込んで「これが男女のシェアハウスか……」と生ツバを飲み込む者までいた。  ここまで言われると本当に「もしかしたら何かあるんじゃないか」と淡い期待が浮かんできてしまう。しかし相手は「お互いに知りすぎた女性」。恋人との夜の話なんかもお互いにバンバン語りあっちゃっている間柄なので複雑な気持ちにもなる。  一方で周りの女性陣からは、怪訝な目を向けられていた。同居人の女のコは知り合いの女性に、「いまアイツとシェアハウスしてるんだって? 仲がいいからってあまり油断しない方がいいと思うよ。理性失ったら男なんて何するか分からないんだから。寝るときは部屋のカギはちゃんと閉めた方がいいと思う」と忠告されたそう。  くわえて「カギがないなら“南京錠”でも付けた方がいい」という意見も。それを笑いながら本人である私に話すのもどうかと思うが、女性陣からのそういった目に、へコまざるを得なかった。  さらには「可愛い女のコと一緒に暮らしているくせに手を出さない男」ということで、もしかしてゲイなのでは? と陰で言われるハメに。シェアハウスへの偏見、デカすぎである。
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シェアハウスの現実は一家の番犬状態
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元週刊誌記者、現在フリーライター。日々街を徘徊しながら取材をしている。著書に『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』(彩図社)。Twitter:@onkunion

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