「今年のM-1は過去最高レベルの戦いになる」元ファイナリストが断言
―[M-1グランプリ2018]―
「M-1グランプリ2018」がいよいよ決着のときを迎える。エントリー4640組の頂点に立つのはいったいどのコンビなのか? 「第1回M-1グランプリ」準優勝にして、現在はそのお笑い評が業界内外から注目されるユウキロック氏に決戦の展望までを語ってもらった。自身の「M-1」挑戦からその後のコンビ解散までを綴った自叙伝『芸人迷子』が大きな話題を呼んだ元ファイナリストの見立てとは――。
最初に断言しておく。明日、行われる「M-1グランプリ2018」決勝戦は常套句ではなく、嘘偽りなく、過去最高レベルで競われる。絶対見逃すな!! 今年も例年通り準決勝が行われるNEW PIER HALLまで足を運び、観戦させていただいた。平日の午後5時開演にもかかわらず800席はフルハウス。チケットの転売額も高騰したと聞いた。 まずここで、M−1グランプリ決勝までの道のりを理解していただきたい。決勝の舞台に立つには、1回戦(2分ネタ)、2回戦(3分ネタ)、3回戦(3分ネタ)、準々決勝(4分ネタ)、準決勝(4分ネタ)を勝ち上がらなければならない。ノーシードならば、5回も勝つ必要があるのだ。過酷な道程なうえに、昨今、出場芸人を悩ましているのが「動画配信」である。 動画サイトの「GYAO!」では、3回戦と準々決勝終了後、そこで披露されたすべてのネタが配信されるのだ。準決勝が行われる日に、3回戦と準々決勝で披露したネタは全世界に配信されている。「ネタがお客さんに知られている」、我々の世界では「ネタバレ」というのだが、その可能性が非常に高いのだ。「準決勝でどのネタを持っていくのか?」という部分は勝敗の大きな鍵であり、最高のネタが5本用意できれば問題ないが、最低限、俺が考える理想的な形としては、1~3回戦は同じネタ、それ以降の準々決勝で自分たちの「ベスト2」のネタ、そして準決勝で「ベスト1」のネタで勝負をする。それでも3本のネタは必要である。しかし、過去の準決勝に比べて今の準決勝に進出するのは、そんなに簡単ではない。 準決勝は進出が決定した時点で少なくとも「敗者復活戦」の舞台で、ネタが地上波で放送されることが確約されるため、組数は過去の「M-1」と比べても26組と少ない。だから、ここに残るために準々決勝で「ベスト1」を出さざるえないコンビもいる。なんとか勝ち残ったものの、準決勝で同じネタを再度披露し、ネタバレの悪影響を受け、撃沈するコンビもいれば、格落ちしたネタを披露して極端にウケが弱いコンビも存在した。今のM-1はそれほどまでに「戦略」が必要であり、重要なのである。
1972年、大阪府生まれ。1992年、11期生としてNSC大阪校に入校。主な同期に「中川家」、ケンドーコバヤシ、たむらけんじ、陣内智則らがいる。NSC在学中にケンドーコバヤシと「松口VS小林」を結成。1995年に解散後、大上邦博と「ハリガネロック」を結成、「ABCお笑い新人グランプリ」など賞レースを席巻。その後も「第1回M-1グランプリ」準優勝、「第4回爆笑オンエアバトル チャンピオン大会」優勝などの実績を重ねるが、2014年にコンビを解散。著書『芸人迷子』
⇒試し読みも出来る! ユウキロック著『芸人迷子』特設サイト(http://www.fusosha.co.jp/special/geininmaigo/)
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『芸人迷子』 島田紳助、松本人志、千原ジュニア、中川家、ケンドーコバヤシ、ブラックマヨネーズ……笑いの傑物たちとの日々の中で出会った「面白さ」と「悲しさ」を綴った入魂の迷走録。 |
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12月2日(日)18時30分~22時30分
ABCラジオ/AM1008・FM93.3
「ラジオでウラ実況!? M-1グランプリ2018」
(出演/ユウキロック)
⇒試し読みも出来る! ユウキロック著『芸人迷子』特設サイト(http://www.fusosha.co.jp/special/geininmaigo/)
『芸人迷子』 島田紳助、松本人志、千原ジュニア、中川家、ケンドーコバヤシ、ブラックマヨネーズ……笑いの傑物たちとの日々の中で出会った「面白さ」と「悲しさ」を綴った入魂の迷走録。 |
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