ムンクの「叫び」は一枚だけじゃない。何枚あるの?――ビジネスクラス世界一周の旅で知った驚愕の事実
昔ほどのスペシャル感はなくなったとはいえ、今も大勢の人にとっては一生無縁であろう世界一周。2010年の秋、週刊SPA!の企画でLCCを使って世界一周をしたことがある筆者(※日本~北米はLCC未就航だったので別の航空会社を利用)が、今度は「ビジネスクラスで優雅に世界一周」に挑戦。10万2830円と約2年で貯めた11万5000マイルをビジネスクラス世界一周航空券に変えいざ出発!
日本を出発して18日、この旅7つ目の訪問国となったのはノルウェー。首都オスロは“世界有数の物価の高い街”として知られ、スイスの大手銀行UBSが昨年発表した物価ランキング『Cost of living in cities around the world 2018』では、主要77都市中でスイスの2都市に次ぐ3位。
同ランキングでは6位が東京となっているが、オスロで買った500mlのペットボトルのコーラは25ノルウェークローネ(約317.6円)。飲食物の価格は日本のほぼ倍で、財布のヒモも自然と堅くなってしまう。
ビジネスクラスで世界一周しているとはいっても豪遊などでは決してなく、宿も中級以下のところばかり。オスロで泊まったのもバス・トイレは共用。わずか3畳ほどの狭いシングルルームだ。
この物価の高いオスロで楽しみにしていたのは、地元出身の画家ムンクの『叫び』を鑑賞すること。空港にも作品が展示され、彼の代表作がオスロ国立美術館にあることは出国前にチェックしていたが、ここである疑問が。
実は、上野にある東京美術館でもムンク展がちょうど開催中で、『叫び』も展示されているとニュースで聞いていたからだ。
仮に鑑賞できなかったとしてもネタ的には面白いかなと考えつつ、美術館に行くとなぜかちゃんと展示されている。そこで館内の女性スタッフに尋ねると、「『叫び』は1つだけじゃないのよ」との答え。
なんでも『叫び』は4部作だそうで、いずれも同じアングルとタッチで描かれているが、油絵やクレヨン、パステル画、テンペラの4バージョンがあるとか。美術ファンの間では有名な話らしい。
そんなオスロの次に向に向かったのは、北欧最後となるデンマークのコペンハーゲン。ここも自力移動の区間でスカンジナビア航空を利用した。
オスロのガーデモエン空港内の同エアラインの専用ラウンジは、ひと言でいえばカフェのような雰囲気。ストックホルムの空港内にあったスカンジナビア航空のラウンジ同様、シンプルだけどデザイン性に優れた北欧らしいインテリアだが、カフェカウンターなどがあってこちらのほうがお店っぽい。
ビュッフェコーナーには北欧で前菜としてよく出されるニシンの酢漬けが用意されており、酸味と甘さのバランスが絶妙で思わずお替り。これをアテに白ワインやビールを何杯も飲んでしまった。自力購入した航空券はエコノミーで食事は付いていないため、無料で飲み食いできるラウンジはノルウェーのような物価の高い国だと余計にありがたみを感じる。
十分に腹を満たしてから搭乗したオスロ→コペンハーゲンのスカンジナビア航空SK1469便は、3列-3列の配列のA321。ただし、予約時に機材のシートマップを確認したところ、唯一2席になっている箇所があり、その1つ後ろの列なら足元が広くなっている可能性があると判断してその座席を指定。
すると案の定、自分の前には座席がなく、足は伸ばしてもスペースに余裕があった。わずか1時間10分の短いフライトだが、この機材で一番の“当たりの席”でくつろぐことができ、快適な時間を過ごせたのは言うまでもない。
オスロは空港内にムンクの作品を展示
まるでオシャレなカフェのようなスカンジナビア航空のラウンジ
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フリーライター。鉄道や飛行機をはじめ、旅モノ全般に広く精通。3度の世界一周経験を持ち、これまで訪問した国は50か国以上。現在は東京と北海道で二拠点生活を送る。
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