消費税10%、どこで買うのが一番お得? スマホ決済や値引きキャンペーンで大混戦
中国経済にブレーキがかかり、中東リスクもくすぶるなど、世界経済に下振れ圧力が高まるなか、10月1日から消費税率が10%となった。飲食店などでは軽減税率への対応などである程度の混乱も予想されるが、’20年6月まではキャッシュレス決済で最大5%のポイント還元策もあるため、賢く利用すれば、増税前以上にお得な買い物もできそうだ。
税率を8%に引き上げた’14年の増税は、8兆円を超す負担増が家計に重くのしかかった。当時はアベノミクスの初期段階ということもあり景気に勢いもあったが、今回は明らかに事情が異なる。果たして、税率10%のインパクトは家計にどれほどの影響を及ぼすのか? 第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣氏が話す。
「今回の負担額は5.6兆円。軽減税率の導入や子育て世帯への還付など手厚い負担軽減策を同時に実施しているため、家計全体では年平均4.5万円、トータルで2.5兆円ほどの負担で済みそうです。幼児教育無償化などで恩恵を受ける人たちは4分の1、そうでない人たちで2分の1程度のインパクトになる。
ただ、現在、中東リスクで原油価格が上昇しているため、今後、景気が悪化する可能性が高い。『駆け込み需要』が盛り上がらなかったのもそういった要因からでしょう」
確かに、駆け込み需要は「限定的」だったようだ。増税前最後の3連休だった9月21~23日、高額品を扱う百貨店や大型量販店は前年比20~30%の売り上げを記録したところもあったが、比較的安く購入できる日用品や医薬品などの動きは鈍かったという。永濱氏が続ける。
「高額なものでも、住宅については、五輪後に不動産価格が下落するのを見込んで、むしろ買い控えている人たちが相当数存在する。自動車や家電も、増税を睨み5月までは好調だったが、『老後2000万円問題』が取り沙汰された6月以降は消費者が節約に走り、消費が落ち込んでいる。
また、日用品については増税後に購入したほうがキャッシュレス決済で高率のポイント還元があるので、あえて増税前に買う必要はないし、制度をうまく利用すれば、増税後に買ったほうがむしろ得という心理が働いていたのでしょうね」
10月1日からは、消費の落ち込み緩和とキャッシュレス決済の普及を目的としてポイント還元制度が始まった。クレカや電子マネー、スマホ決済で代金を支払うと、中小の小売店や飲食店は5%、コンビニなど大企業の中小FC店では2%が還元されるが、結局のところ、どこのお店で、どの決済事業者を利用すれば得なのか?
イマイチ判然としないというのが正直なところだろう。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢氏が話す。
「還元事業の対象は、『資本金が5000万円以下』などの条件を満たした中小企業で、なおかつ事業に参画する手続きを済ませた店舗に限ります。また、キャッシュレス決済なら何でもポイント還元されるわけではなく、どの決済手段が還元の対象となるかは、決済事業者に任されているので注意が必要。
例えばコンビニのミニストップでは、直営店は還元がなかったり、対象店舗のように思えてもそうではない場合もある。
また、国際ブランドのカードでも、銀行系や信販系など発行会社は異なり、発行元が届け出ていなかったらポイントがつきません。普段、買い物するときにその都度、対象店舗かどうかを確認するのは手間もかかるため、決済手段を一つに絞ってひたすら使い続けたほうが現実的と言えるでしょう」
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