30代以上は知っておきたいウイスキーの基礎知識。最初に知るべきは…
~ 第70回 ~
最近、ビジネスで知り合った人と一緒に飲む際、「ウイスキーを教えてほしい」と言われます。そのたびに、喜んでさまざまな角度から、ウイスキーの基礎知識と楽しみ方を紹介します。今までなんとなく飲んでいたウイスキーが体系づけられるので、みなさんとても喜ばれます。
そこで今回は、いつも話す内容と飲み方をご紹介することにします。
当然飲みながら解説するので、まずは初めの1杯。「とりあえずビール」は、その日は遠慮していただき、相手が飲みそうならスコッチのハイボール、ウイスキーが苦手なようならバーボンのミントジュレップをオススメします。ミントジュレップは、フレッシュミントを潰してガムシロップを入れ、バーボンとソーダを注ぐカクテルで、とても爽やかで美味しく、ウイスキーに慣れていない人でも楽しめます。
ウイスキーの原材料は各国の法律などで規定されていますが、一般的には大麦やコーン、小麦、ライ麦などを使います。まずは、これらの原材料からビールのような液体を作り、それを蒸溜し、できた液体を樽に詰めて熟成させたものがウイスキーとなります。
世界的なウイスキー産地を「5大ウイスキー」と呼びます。スコットランド、アイルランド、アメリカ、カナダそして日本です。最初は、2か所だけ体感すれば十分です。それは、アメリカとスコットランドです。
ロングカクテルで喉を潤したら、いよいよウイスキーそのものを飲んでもらいます。基本はバーボンのロック、お酒に強そうな人ならトワイスアップを注文してもらいます。トワイスアップとは、ウイスキーに同量の水を注いだものです。バーボンなら何でもよいのですが、メーカーズマークを勧めることが多いです。
5大ウイスキーのひとつ、アメリカンウイスキーでは、バーボンが有名です。ケンタッキー州を中心に作られているウイスキーで、材料の51%以上にトウモロコシを使うことが決められています。それ以外は、ライ麦や小麦、大麦を使っています。蒸留した焼酎のような原酒をオーク材で作った新しい木樽に入れて熟成させます。
たくさん売れているバーボンとしては、ジャックダニエル、ジムビーム、メーカーズマーク、エヴァンウィリアムスなどがあります。40~50代だと、I.W.ハーパーやフォアローゼズ、ワイルドターキーといった銘柄も耳にしたことがあるのではないでしょうか。
銘柄によって味は大きく変わるのですが、一般的な傾向として、熟成年数が短めのため刺激的な味わいになります。とは言え、アルコールや原材料由来の甘やかさを感じられ、新樽のオーク材から染み出るバニラの香りや焦げ臭さもあります。
熟成年数が短いので比較的安価に楽しめますが、定番銘柄は決して安酒ではありません。パワフルでコクがあり、飲んだことのない人がウイスキーに抱いているイメージ通りではないでしょうか。ストレートがきつく感じるなら、ロックやトワイスアップにすると口当たりが柔らかくなります。そもそも、アメリカではジャックダニエルのコーラ割りである「ジャックコーク」がとてもよく飲まれています。
最初に知るべきはアメリカとスコットランド
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お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「リカーライブラリー」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる
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