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知ってるとツウぶれる、酒の味を大きく左右する樽の違い

― 第67回 ―  ウイスキーやブランデーなどを熟成させる際は、木樽に入れて保管します。ワインをはじめ、テキーラや焼酎、日本酒も樽熟成を行うことがあります。

なぜ、お酒の熟成には樽を使うのか?

 蒸留したての透明な原酒はアルコールが鼻につく刺激的な液体ですが、木樽に入れて長い時間をかけることで、まろやかになり風味豊かになります。樽の素材である木材のニュアンスもお酒に出てきます。その過程で、透明な液体は琥珀色に変化していきます。  ステンレスタンクでの熟成と異なり、木樽はある程度空気が出入りするので、酸化による変化も起きます。そのため、外部の室温や気温、気候の変化などにより、お酒が蒸発します。これをエンジェルズシェアと呼びます。  スコットランドなどの理想的な環境だと年に1~2%、アメリカのバーボンでは4~5%、南国で作られるラムだと7~10%となります。そのため、ラムやバーボンは熟成年数が短くても、凝縮感のある濃厚な味を楽しめるのです。反面、長期熟成は難しくなります。

年数経過により、琥珀色に変化します。写真はカヴァラン蒸留所にて撮影

 樽にはオーク材が使われます。繊維の密度が高くお酒が漏れにくいうえ、熟成に適したタンニンやポリフェノールなどを含んでいるためです。アメリカンオークはタンニンが少なめでバニラの香りが強め、バーボン樽などに使われます。ヨーロピアンオークはタンニンが多めで複雑な味わいをもたらします。ジャパニーズオーク、つまりミズナラは日本固有の木材です。加工しにくいので、代替素材として使われていたのですが、実はミズナラ樽で熟成させると最高のウイスキーになることがわかりました。長い年数を経ると、白檀の香りが特徴的です。  樽のサイズも重要です。小さいほど短期間で樽の影響が出て、大きいほどゆったりと熟成が進みます。よく使われるサイズは4種類で、バーボン樽の「バーレル」サイズは、180~200リットル、一度使ったバーレルを解体して230~250リットルにした「ホグスヘッド」、400~500リットルサイズの「パンチョン」、シェリーを熟成させる「バット」の容量は480~500リットルです。

いろいろなサイズの樽が利用されています。写真は山崎蒸留所にて撮影

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樽の使い回しがダメなバーボン樽の行方
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