あなたが行動できないのは、「行動力」がないからではない/プロ奢ラレヤー
「僕に奢りたい人はDM(ダイレクトメッセージ)ください」――
「他人のカネで生きていく」というモットーを掲げ、見ず知らずの人に奢られることを“生業”とする、「プロ奢ラレヤー」。
Twitter上でつぶやく日々の気づきや、奢りに来た人の奇想天外なエピソードが反響を呼び、フォロワーは2年半で約9万人。彼に奢った人は政治家、医師、経営者、研究者、芸能人、パパ活女子、前科持ちなど各界各層2000人以上となり、インターネット上の話題をつねにさらっている。
なぜ人々は奢ってまでも彼に会いにいくのか? 彼の唯一無二の「奢られ活動」の原点を記した著書「嫌なこと、全部やめても生きられる」が12月20日に発売された。
その中から、いくつかお届けする。
「プロ奢さんのような行動力を身につけるには、どうすればいいのでしょうか。やりたいことはいろいろあるのに、なかなか行動に移せません」
という、定番中のド定番な悩み相談をよくもらいます。もう、どうせ僕の回答を聞いたとしても行動に移すことなんて一生ないんでしょ? と思いながらも、少し考えてみたいと思います。
そもそもの話をすると「行動できない人」というのは、この世にいません。たとえば僕が毎日のようにサウナに行けるのは、別に行動力があるからじゃない。暇だからです。でもそれがもし1時間しか暇じゃなかったら、もしかしたらサウナには行ってないかもしれない。
つまりは暇な時間とお金さえあれば、人間は別に難なく行動できるんですよ。だって元ZOZOの前澤友作さんが月に行こうとしているのかが、行動力があるからと言えますか?
僕たちがいくら行動力とやらを持ち合わせていたとしても、月には行けないですよね。まずZOZOタウンつくります、というところから始めなくちゃいけない。すると当然のことなかがら「ZOZOタウンはつくれないなあ」ってなってしまうと思うんです。
それを行動力がない! と誰も責めないですよね。つまり「行動力」という概念自体、僕は「解像度の低い、ぼやっとしたもの」だなーぐらいにしか思っていません。
行動力を担保する要素は、大きくは「それをやりたいかどうか」「実現するためのリソースが現時点であるかどうか。ない場合、その獲得コストがどの程度か」の二つだと思います。「やりたいかどうか」は当然の前提なので割愛するとして、あとはお金と時間を用意するしかない。
それが難しければ、生活コストから無駄なものをアンインストールすること。アンインストールというと勘違いされがちですかが、何かを「捨てる」ということは、何かを「新しく手に入れる」よりもずっと難しく、ずっと重要です。余計なものをどけてスぺースをつくらない限りスキマは生まれないし、スキマがない場所には何も入りません。スキマがなければ、新たなことも始められないのです。
だからこそ、ここぞというときには、「行動」よりも、まず自分の中でやるべきことの優先順位を決めて、不要なものをアンインストールすることから始めたらいいと思います。
また、行動できないという人に共通するのは「圧倒的に自信がない」ということです。ひょっとして、自分の力量ではできないことをしようとしているのかもしれません。「自分にできなさそうなこと」をするのは疲れるし、エネルギーが余っていないと、新しいことは基本的にできないですよね。
「行動できない」と嘆く人は、勇気がないというわけではないと思います。単に「自分にできなさそうなことをしようとしている上、そこに必要なエネルギーが足りていない」状態なんです。おそらく、他の問題(学校、仕事、家族、恋人、友達とか)に追われて、その解決のために使っているエネルギー量が多く、余力がないのです。
「行動力」とかいう、解像度の低いことば
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本名、中島太一。23歳。「他人のカネで生きていく」をモットーにツイッターを介して出会ったさまざまな人に「奢られる」という活動をし、現在フォロワー約9.8万人。奢ってくれた人々との邂逅を綴った「奢ログ」を含む日々の考察を有料note「プロ奢ラレヤーのツイッターでは言えない話。」として配信中。著書『嫌なこと、全部やめても生きられる』(扶桑社刊)、『プロ奢ラレヤーのあきらめ戦略』(祥伝社)。
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