仕事

中高年サラリーマンの残酷な現実。20年間で月収は10万円減…

 新型コロナ騒動によってリモートワークが注目されるなど、思わぬ要因で加速する「働き方改革」。しかし、賃金が上がらないのに、4月から介護保険料が大幅に値上げされるなど、労働者の懐事情は日々過酷さを増している。 稼ぎ方改革]のススメ

給料頭打ち時代に年収を増やす方法とは?

『働き方2.0vs4.0不条理な会社人生から自由になれる』などの著作で知られる作家の橘玲氏も、こう語る。 「日経新聞一面に衝撃的な統計が掲載されました。厚労省の賃金構造基本調査で’00年と’18年を比較したら、同じ企業に勤める会社員の55歳の月収の中央値が62万2500円から53万6400円へと下落していた。さらに驚いたのは、月収の下位10%に至っては45万2600円から35万600円へと下落しているのです。これは生産性の低い中高年の給与を大幅に減らしていることの表れでしょう」  日本型雇用が崩壊し、急速にグローバル化する世界の中で、一体どう生き延びるべきか? 橘氏は「優秀な人ほど組織から自立し、個の力を高めている」と言い、できるだけ長く稼げる環境を自らつくり出すしかないと説く。 「時短勤務をチャンスと捉え、専門性を高め、副業や複業に時間を使うべき。特にこれから50代になっていくロスジェネ世代は能動的な人しか生き残れません」  残酷な現実のなか、福音もある。’17年から副業紹介マッチングサービス「シューマツワーカー」を運営する松村幸弥氏はこう話す。 「立ち上げ当初は、副業をしたい人の登録数が右肩上がりで伸びていくのに反し、企業側はまだまだ副業への抵抗も強く、オフラインでの面会に固執するなど、正直ミスマッチな状況でした。それがこの2年間で副業人材を求める企業クライアント数も3倍以上になるなど、柔軟な労使関係への理解が進んでいることを実感しています」
[稼ぎ方改革]のススメ

松村幸弥氏

 働き方の多様化は我々の想像以上に急速に浸透している。 「会社勤めの傍らYouTubeの配信で広告収入を得たり、noteのような課金システムを利用して個人が個人から“投げ銭”的に収益を得たり。働き方以上に稼ぎ方が多様化していることも、勤め人にとっては追い風でしょう」  給料が上がらない“時代”に甘んじることなく、自ら道を切り開く猛者はいるのだ。 【作家・橘 玲氏】 出版社勤務を経て『マネーロンダリング』で作家デビュー。『上級国民/下級国民』、『言ってはいけない』シリーズなど著書多数。近著に『2億円と専業主婦』 【実業家・松村幸弥氏】 ’89年生まれ。シューマツワーカー代表。横浜国立大学経営学部卒業、ボルテージ入社。ソーシャルゲームのプロデューサーを経て、’16年に起業 <取材・文/週刊SPA!編集部>
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