小池都知事、休業要請と都独自の補償で人気急騰!? 飲食店は時短で50万円
東京は1か月間、眠り続けるのか……? 4月10日に小池百合子都知事が発表した緊急事態への対応措置に注目が集まっている。都が独自に事業者への補償を用意したうえで、国が渋っていた「休業要請」に踏み切ったからだ。
その対象はナイトクラブやネットカフェなどの遊興施設と教育施設、劇場、そして生活必需品・サービス以外を扱う商業施設。一方で、医療施設や生活必需品を扱うスーパー・百貨店、飲食店、宿泊施設、交通機関、工場、金融機関、葬儀場、銭湯、理美容店などは「社会生活を維持するうえで必要な施設」として、休業要請の対象外に。このように仕分けをしたうえで、5月6日まで休業要請に応じた事業者には1店舗を運営する場合50万円、2店舗以上だと100万円の「協力金」を支給するとしたのだ。ただし、例外もある。都民ファーストの会幹事長代理の伊藤ゆう都議が話す。
「新型インフルエンザ等対策特措法施行令では教育施設や生活必需品・サービス以外の商業施設などは『床面積の合計が1000㎡を超える』場合に休業要請の対象になりますが、都では1000㎡以下の同施設も対象とし、協力金の給付対象としました。また、飲食店には朝5時から夜8時までの時短営業を要請し、これに応じてくれた飲食店も、例外的に協力金の支給対象としています。クラスターが発生しやすい多くの人が集まる施設を幅広く要請の対象に盛り込んだかたちです」
これには築地で飲食店を営む男性店主も「ひとまず、1か月は家賃を気にせず休める」と安堵する。聞けば、「細々と営業を続けていたら『非国民』『なぜ自粛しない!?』と脅迫めいた電話があった」という。生活のためには深夜まで営業を続けたいところだが、近隣の目を考えると、時短営業で協力金がもらえる今回措置は願ったり叶ったりというのだ。一方で、銀座の美容院の経営者は「なぜ我々は対象外なのか?」と嘆息する。
「お子さんのいるお客さんを中心に2月以降、来店者が激減して3月の売り上げは3分の1に減少。こんな状況で1か月、営業を続けたところで赤字を垂れ流すだけ。理美容業界は飲食業界同様、中小零細店が8割以上を占めるため、この自粛ムードでは倒産する店が相次ぐでしょう。それなのに理美容業界だけが休業・協力金の対象外となったのは、コンビニの4倍もの店舗数があって補償額が膨大になることを嫌気したからなのでは……?」
実際には、対象外になった理由は都でなく、国にある。
「もともと特措法の休業要請の範囲を定める政令の第11条の第12号として『理髪店、質屋、貸衣装屋その他これらに類するサービス業を営む店舗』が盛り込まれていました。だから都知事は理美容店も要請の対象にしたリストを作成していたのに、4月7日になって突如、国は政令を変更。理髪店を含む第12号はまるまる対象外になりました。おそらく、理美容の業界団体が直接政府に要請の対象外とするように求め、それが受け入れられたのでしょう」(都民ファ・藤井あきら都議)
ご存じの人も多いだろうが、東京都と国の間には休業要請を巡って綱引きがあった。都は4月6日までに要請対象を公表予定だったが、3月28日に示した「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」を政府が突如改正。「蔓延防止策について『都道府県は地域の感染状況を踏まえて的確に打ち出す』となっていた箇所が、安倍総理による緊急事態宣言とあわせて4月7日に『国に協議の上』『外出自粛の効果を見極めた上』と大幅改正された」(同)という。都道府県が個々に対策を打ち出すことに待ったをかけたのだ。背景にあるのは、財政上の問題だ。
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