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“お笑い第7世代”鈴木もぐらの貧困生活「パチンコで借金700万円」

 国税庁の発表によると2018年の日本の平均年収は441万円だ。しかし今、非正規雇用で平均を大きく下回る低収入、貯金もほぼないが、その現実に危機感を持つこともなく好きなことをして暮らす無自覚な貧困層が増えているという。安泰とは言えない環境ながらそれなりに楽しく暮らす、まったり貧困者たち。
鈴木もぐら氏

鈴木もぐら氏

 実際に貧困生活を送り、バラエティ番組で『本来ネズミしか罹らないはずの病気になって喉が腐りかけた』などの極貧エピソードを披露してきたお笑いコンビ・空気階段の鈴木もぐら氏と、貧困層を取り上げ続けてきたノンフィクション作家の中村淳彦氏に、さまざまな貧困の実態を語ってもらった。

まったり貧困対談「電気やガスがなくても苦じゃなかったんです!」

中村:先日取材に行ってきた北関東のある地域では、不倫をする男女間で、男性が女性に贈り物をする文化があるんですよ。お金の場合もあれば、肉などの現物の場合もあって、それで生計を立てている貧困層の女性も多いです。 もぐら:生々しいですね。 中村:それも、真面目な人たちが貧困に陥っているんですよね。ギャンブルにハマったとかでなく、就活に失敗とか、親の介護の都合とか、社会構造的な貧困。ひたすら切り詰めて、月1回のサイゼリヤでの外食を楽しみに暮らしている人が大勢いるんです。 もぐら:えっ、僕とは真逆じゃないですか! 中村:もぐらさんは確か借金が700万円あるんですよね。どうやって膨れ上がったんですか? もぐら:19歳のときにパチンコを始めてのめり込んで、最初は勝ちまくって200万円を貯めて大学に入学したんですよ。でも国の規制が入って勝てなくなって大学も中退。そこからは街金と知人からお金を借りてパチンコに通うようになりました。僕は国に人生を狂わされた一人なんですよ!
まったり貧困で生きる

中村淳彦氏

中村:もぐらさんの世代(30代前半)でそんな生活をする人って珍しいですよ(笑)。私の世代だと結構いて、ライター時代に在籍していた編集部ではほぼ全員がギャンブルで消費者金融から平均200万円借金しているなんてこともあったんですけどね。当時は取り立ても本当に怖くて、危うくコンクリート詰めにされそうになったり、実際に行方不明になってしまった人もいました(笑)。 もぐら:壮絶! 現代は優しいというか、直接取り立てというものがないからまだ安心ですが、犠牲の上に成り立っているんですね。 中村:でも、もぐらさんは友人からの借金もあるんですよね? もぐら:そうですね、全体の半分くらいは友人からの借金です。
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家賃1万7000円が払えなくて滞納していました
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年収100万円で生きる-格差都市・東京の肉声-

この問題を「自己責任論」で片づけてもいいのか――!?
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