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年収2000万円だった元J1サッカー選手、40代で月収20万円のまったり貧困生活

 国税庁の発表によると2018年の日本の平均年収は441万円だ。しかし今、非正規雇用で平均を大きく下回る低収入、貯金もほぼないが、その現実に危機感を持つこともなく好きなことをして暮らす無自覚な貧困層が増えているという。その実態に迫った!

ケガで現役引退。年収はピーク時の約10分の1に

▼瀬戸際に立つ40代のまったり貧困:加藤和也さん(仮名・40歳)
まったり貧困で生きる

元プロだけあって技術と体力は本物。地元のスポーツ行事などではヒーローになれるとか

 夢を叶えるも、幸せは長くは続かなかったと振り返るのは、加藤和也さん(仮名・40歳)。高校を卒業して、子供の頃からの憧れだったJ1のプロサッカー選手になったが、度重なるケガが原因で、30代半ばで現役引退。華やかな人生はあっという間だったという。 「欧米のプロと比べたら少ないですが、それでも現役時代の年収は約2000万円。モデルの妻もできて、まさに人生のピークでした。でも、ケガでプロを引退したと同時に、妻とも離婚したんです。原因は僕の収入が見込めなくなったこと。僕自身気持ちが荒れていたし、先行きが不透明になったことでかなり不安を感じたんだと思います」  しかし元プロだけあって、サッカー関連の再就職は簡単に決まる。知人の紹介でジュニアサッカースクールのコーチに就くことになったのだ。 「契約社員となって、週5日8時間の勤務で月収は18万円でした。プロの競技者の世界とは給料も仕事の内容もあまりにもかけ離れていたので、当初は現実を受け入れるのが難しかったですが、次第に子供たちとの関わりが楽しくなっていきました。生活水準をなかなか落とせなくて、貯金はだいぶ減らしてしまいましたけどね」
まったり貧困で生きる

土日の楽しみは知人とのフットサル。「現役を引退した選手たちが、今どんな仕事をしているのかこっそり探っています(笑)」

 そして昨年、他業界への転職にチャレンジして成功する。 「コーチの仕事を経験して5年がたった頃、思い切って別の業界の面接を受けることにしたんです。スーツを買って、履歴書を書いて60社近く受けました。ようやく内定をもらえたのがIT企業。月収もアップして20万円に。現役時代と比べるとどうしても少なくは感じてしまいますが、再婚も決まって順調とはいえますね」  20万円は決して十分な収入とはいえないが、現状に一定の満足感はあるという。 「不安がないといえばウソになりますけど、今までもピンチは乗り越えてきたので、今後も大丈夫かなと思っています。年末には子供が生まれる予定なので、子供に貧しい思いはさせたくないですけどね。しばらくは貯金を取り崩しながら“そこそこの幸せ”を守っていきたいです」  挫折を経てたどり着いたまったり貧困のメンタルは、粘り強い。 【収入】 月収(手取り)20万円 ―――――――――――― 【支出】 家賃 8万円 水道光熱費 1万5000円 食費 6万円 娯楽費 3万円 被服費 1万円 雑費 2万円 貯金 3万円 ―――――――――――― 収入-支出の合計 -4万5000円 <取材・文/週刊SPA!編集部>
年収100万円で生きる-格差都市・東京の肉声-

この問題を「自己責任論」で片づけてもいいのか――!?
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