スーパークレイジー君、NGワード連呼の後藤氏…都知事選お騒がせ候補の「その後」
選挙に落ちれば“ただの人”。だが、そもそも普通の人は出馬するのも難しい。多額の選挙資金、キャリアの中断、家族の反対……先の都知事選で落選した候補者たちも、みな型破りだった。あの元候補者たちは今――
開票から当確までわずか4秒。7月5日に行われた東京都知事選は下馬評通り、現職・小池百合子候補の圧勝に終わった。今回は、過去最多の22人の候補者が乱立する熾烈な戦いとなったが、なかでも異彩を放っていたのが新世代の“泡沫候補”たちだ。
振り返れば、世界的発明家のドクター・中松氏や実業家で現港区議のマック赤坂氏、さらには「ロケンローラー」こと故・内田裕也氏など、これまで多くの“レジェンド”が都知事選を盛り上げてきた。だが、有効投票数の10%(今回は約65万票)を得られなければ、供託金300万円はすべて没収されるため、それなりに資金力に余裕がある候補者でなければ、選挙後、元の生活に戻ることもままならないのが実情だ。
彼ら新世代の“泡沫候補”たちは今、どこで何をしているのか……? まずは、「マック赤坂の後継者」という触れ込みで、選挙戦を羽織袴姿で戦った込山洋氏に聞いた。
「選挙後は借金取りに追われる毎日ですね。選挙費用の500万円は支援者から借りましたが、これとは別で……。実は6年前に事業に失敗し、九州から夜逃げしていたのですが、都知事選の出馬で見つかって、1000万円の借金を返済しなければならないんです。今はマック赤坂さんの付き人で、給料は前職の介護職と変わらず安い。自分なりに罪を償うために毎晩、新橋でのゴミ拾いは続けていますが、返すお金はない。もう成り行きに任せるしかありません」
さぞかし意気消沈していると思いきや、“衆議院議員候補者”と書かれた新しいタスキを手にし、早くも次の戦いを見据えている。だが羽織袴姿は今回限りだという。
「別れた妻に都知事選出馬を相談すると、『もう関係ないから自由にしたら』と言っていたのに、告示日が近づくと『袴で出歩くのだけはやめて』『ふざけた格好で力説しても誰も聞いてくれないよ』と夜中の3時にLINEが矢継ぎ早に届き、これはマズいと急遽、政見放送はスーツ姿に。それでも私が1万票を獲得したら、『頑張ったね』と。でも会いに行くのは『コロナだから勘弁して』だそうです」
▼込山 洋氏(46歳)1万935票 11位
「九州から夜逃げしての出馬。今は訴えられています」
元介護士。出前館の創業者・花蜜幸伸氏が「一番の支援者」。6年前の事業失敗で、自殺未遂を経験し、選挙戦では「人生一度限りでございます」と何度も聴衆に訴えていた。現在はマック赤坂氏の付き人。
’15年より続けている清掃活動は新橋にて継続中
借金、売名、ウソ、家族関係…候補者たちの「宴のあと」
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