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“衝撃の結末”の真相をバチェロレッテ・福田萌子が語る

 10月末に全エピソードの配信を終えた『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン1。誰もが憧れるひとりの独身女性=バチェロレッテを奪い合う17人の男性による“愛のサバイバル”は「該当者なし」という衝撃的な結末を迎えた。  今回は愛の長旅を終えたバチェロレッテ・福田萌子にインタビュー。旅の裏側からこの結末に至る理由まで、本編に残った謎を主役自らの口で明かしてもらった(聞き手:ヨシムラヒロム)。 ――まずはプライベートなことを聞きたいのですが、普段はどんなお食事をされていますか? 福田:基本的には毎日外食ですね。夜しか食べませんが、夕食は3回とります。イタリアンを食べて、その次に焼肉、シメに中華みたいな。逆のほうが多いかな?  最後のシメのシメで深夜までやっているミシュランで星を獲得するようなお店にも行きますよ。シェフがお友達のことも多いので、「ケンタさん〜!ちょっと今から、お好み焼き焼いてくれない?」って電話をかけて、“トリュフかけお好み焼き”を作ってもらうこともあります。 ――数多くの名店に足を運んでいると思うのですが、ファストフード店に行かれた経験はありますか? 福田:実は時々「松屋」に行くことがあるんです。松屋ってタッチパネルで注文するんですよ、ご存知でしたか?  品数が多いからページ数も多くて、牛丼を探すのも大変でした。遅い私を横目に他のお客さんは10秒くらいで注文していくんですよ。「決断力が早すぎる」と感心しちゃいました。結局、色々と目移りしてしまい2000円ほど注文したのかな……。松屋は紙のメニュー表を出した方がいいと思います! ――初代バチェロレッテに選ばれた気持ちを教えてください。 福田:以前、すごく好きだった人に振られてしまって、私は“愛の迷子”になっていたんですね。その時、スタッフの方から「真実の愛を探しに行きましょう」と誘われました。私も「真実の愛をもっと知りたいし、深く理解したい」と考えていたので、番組に参加することを決めました。ただ、私の中では「選ばれた」ではなく「決めた」といった感覚なんですよ。  オファーは受けましたが、もちろん最初は自分の恋愛を公の場で見せることに躊躇がありました。普通ではありえないことですからね。 ――17人の男性からラブコールが送られる『バチェロレッテ・ジャパン』の旅では、どんなことを心がけましたか? 福田:男性たちが居心地良く表現できる環境作りです。「こういう風に言ったらカッコよく映るかな」ではなく、自分の本音を表現して欲しかったんです。だから、まず私がありのままの自分でいることを心がけました。 撮影中は、男性たちの魅力を1秒の時間もムダにせず感じとろうと集中していましたね。 ――確かに、本編では福田さんが男性の本音に迫るシーンも多かったです。『バチェロレッテ』に対する福田さんの本気度の高さを感じました。 福田:だってお仕事を持つ男性が時間を割いて、私に会いに来てくれたんですよ? 彼らのいい部分を見つける責任が私にはあるんです。  本当に結婚をしたいのか、真実の愛を見つけたいのか、自分自身を探しに来たのか、男性が『バチェロレッテ』に参加をする目的も十人十色です。「なぜ参加を決めたのか」を知るためにも第一印象だけで判断をしたくなかった。短い時間の中で、私は男性の心を見たかったんです。  エピソード3で藤井さんと1on1デートをさせていただいた時もそうでしたね。番組では短い時間に編集されていますが、実際は2時間ほどお話しています。あそこで藤井さんには「どういう女性と一緒にいたいか」について、真剣に考えて欲しかったんです。  冷静に判断すれば、その女性が私でないことはわかります。あの時は私が“ローズを渡さない”という決断をしました。けど、藤井さんも私とは合わないことをどこかで感じていたはずなんです。お別れするという結末は、2人で選んだことだと思っています。  立場的に私が選んでいるように見えますが、同時にバチェロレッテは男性から選ばれている存在です。 ――短い時間で男性をジャッジし“ローズ”を渡していく、『バチェロレッテ』では苦渋の決断が続きました。 福田:「人を愛するって?」「恋をすることとは?」「愛と恋は別なのか?」「結婚ってなんだろう?」「出産とは?」そして「この人と一生一緒にいられるのか?」、参加者全員が「真実の愛」だけを考え続けた旅でした。  みんなが同じことを考えているので、意見交換はやりやすかったです。話していく中で、それぞれの考え方が明確に見えてきますから。

初回で選ばなかった男性への思い

――最初に落とされた男性とはそういった話もできなかったと思います。どのような基準で落としたのですか? 福田:お話をしていない方とお別れすることは悲しかったですね。ただ『バチェロレッテ』が終わっても人生は続きます。だから「これから先、ちょっと心が耐えられないだろうな」とお見受けした方にローズは渡せませんでした。  もちろん、参加してくださった全ての男性に愛を持って接したつもりです。ただ、私が男性を心配する気持ちは、愛は愛でも母性愛ですよね。「こんな気持ちでローズを渡してはいけない」と考えていました。 ――福田さんが男性に注ぐ愛が異性愛ではなく母性だったことが、あのような結末になった理由ですか? 福田:愛ってなんでしょうね、本当に難しいことです。  最後の杉ちゃん(杉田陽平)とのシーン、実は何時間も泣いていたんですよ。映ってはいないのですが、杉ちゃんから「萌子さん、僕の最初の印象なんだった?」と聞かれて。どんな服を着てたとか、何色の靴下を履いてたとか、どんな言葉を話してたか、全部覚えていることを話しました。そこから旅で起きた色々な出来事が一気に蘇ってきたんですね。  そして黄皓さんだけは、私にプレッシャーを与えないために、ローズセレモニーで目を合わせないでいてくれた。そんな優しさも思い出しました。  男性とお別れする時、全員がすごくカッコよくなって去っていくんです。旅の中でみんな成長していきました。ただ、私だけは、“私の物語”なのにたった一人の男性を愛することもできませんでした……。  私は『バチェロレッテ』で何を成し遂げたのかな……。 ――福田さんの「真実の愛」に対する真剣さは伝わりました。それゆえ『バチェロレッテ』の旅でストレスを感じることも多かったのでは? 福田:ストレスはなかったのですが、フラストレーションは溜まりましたね。私の場合は心がモヤモヤすると、走ってスッキリするんです。ただ『バチェロレッテ』の期間は、走ってもリセットされないこともありました。  私のアシスタント、ヘアメイク、スタイリストは全員女性なんですが、フラストレーションが溜まっている時は「私、今もう……真っ只中です!優しくして!」「カリカリしてますが、よろしくお願いします!」と自己申告していましたね。

バチェロレッテが大切にする“セルフラブ”

――「自分がブレない」、福田さんの心のタフさに憧れます。自身の心をどのようにケアしていますか? 福田:私は12歳からモデルのお仕事をさせていただいています。そこで培ったものかもしれません。私がデビューしたのは今とは違って、モデルの立場がすごく低い時代でした。次のお仕事が欲しい、だからクライアント、カメラマンによく思われたい。そんなことばかりを考えていたんです。  でも、ずっといい子のイエスマンを続けていると苦しくなってくるんですよ。実際、我慢してもダメなことが多かったです。  それから “セルフラブ”を意識するようになりました。自分を守るために自分を愛することは大切なんです。周りの人に「辛い時は辛い」と言えるようにもなりました。こちらがモヤモヤして無言でいると、逆に気を使わせてしまうことも多いですから。  そういった意味で、芸能界で活動しているローズ君とは通じ合う部分がありましたね。カメラも気にせずデートをすることができました。繊細な気遣い屋さんで、人の気持ちがすごくわかる方でした。 ――誰かと結ばれることはなかったですが、『バチェロレッテ・ジャパン』の旅を通して「真実の愛」とはなにかわかりましたか? 福田:答えは見つかりませんでしたが、その一端はわかった気がします。  以前、髪の毛の長い男性と交際していたことがあるんです。彼は長い髪をヘアゴムでまとめていました。ある時、机に何気なく置かれていたヘアゴムが目に入って、腕につけたんですよ。それから、ずっとつけるようになっちゃって。糸くずも出てくるから、見た目はボロボロになっていきます。  彼は「また、こんな汚いのつけてる」なんて笑うんですけど、私にとってはすごく大事なものでした。今、つけているジュエリーよりもヘアゴムが断然輝いて見えた。 「真実の愛」とは、そういうことじゃないでしょうか……。  『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン1はAmazonプライム・ビデオより全エピソード配信中。観賞後に残るのは、ひたむきに役目を全うしようとする福田萌子の真剣さ、そして慈愛か……。誰よりも「真実の愛」と向き合った福田萌子の愛をめぐる冒険は必見だ。 『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン1 ●作品概要 タイトル:『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン1 配信開始日: 2020年10月9日(金) ※当番組は2019年~2020年3月に収録。 制作:Amazon バチェロレッテ:福田萌子 司会進行役:坂東工 スタジオトーク出演:ナインティナイン、SHELLY (C) 2020 Warner Bros. International Television Production Limited 提供:Amazon プライム・ビデオ
'86年、東京都生まれ。武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業。イラストレーター、コラムニスト、中野区観光大使、大正大学客員准教授。書に『美大生図鑑』(飛鳥新社)
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