『バチェラー・ジャパン』の男女逆転版、
『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン1がAmazon Prime Videoで配信中だ。誰もが憧れる1人の独身女性=バチェロレッテを17人の男性が奪い合う。
『バチェラー』とはちょっと違う魅力にハマり、「新エピソードの配信が待ち遠しい!」と金曜0時を心待ちにしている読者も多いはず。
今回はそんな『バチェロレッテ』をより深く楽しむために、モテコンサルとして活躍する勝倉氏にインタビュー。男性向けに恋愛情報を発信する男女関係の達人に『バチェロレッテ』の参加者を分析してもらった。
モテコンサル勝倉/元メガバンク勤務。現在は恋愛に悩む男性向けにモテコンサルとして独立。著書に『モテ強戦略論』『オンナ・バリューの高め方』
すでに配信されているエピソード7まで、少々デート内容のネタバレがあるので、まだ追いついていない方は要注意だ。
カッコつけた人は「怖い」
――まず、エピソード1のカクテルパーティーで、北原一希さんはなぜバチェロレッテ・福田萌子さんからサプライズでファーストローズをもらえたのでしょうか?
モテコンサル勝倉(以降、勝倉):男性ってカッコつけたがるじゃないですか、実はそれって勘違い行動なんですよ。
女性ってカッコつけた人を「怖い」と感じることが多い。
パーティーのような初対面の場では、笑顔満開で近づき「優しそう、いい人そう」と警戒心を解くふるまいをすることが大切なんです。北原さんって終始笑顔だったじゃないですか、だからファーストローズをもらえたんですね。
料理研究家の北原一希。自作のメニュー表が功を奏してファーストローズをゲット
――北原さんは料理男子ですが、やっぱり料理ができることは男性にとって武器になりますか?
勝倉:これはもう不動(笑)料理男子はめっちゃモテます。「俺作るよ」とか言って、女性を家にも呼べますし。私の周りを見ても、
男性の家事力を気にしている女性って多いんです。
これもありがちなんですが、男性はこだわったものをつくらなきゃと勘違いしている。けど女性って、そこまでは求めてないですよ。普通の家庭料理でいい。「一緒につくろう」と誘って、スーパーで食材を買いに行くのが楽しかったりしますしね。
――エピソード3の1on1デートで萌子さんから詰められた藤井達也さんはいかがでしたか?
勝倉:萌子さんに「私のことどう見えてるの?」と聞かれて「キレイ、カワイイ、スタイル最高!」と言った人ですよね。
外見だけを褒めるのは“非モテの仕草”の特徴の一つで、圧倒的にNGな行為なんですよ。
「1000人斬り」の藤井さんはその場で適当に合わせることは卓越している、だからワンナイトには強い。けど、ちゃんと付き合って結婚ってことを考えた時にする会話だと中身がないことがバレちゃう。「長くいるとちょっとしんどくなってくるな……」というのが彼の印象ですね。
外見だけを褒める浅いコメントをしてしまった藤井達也
――あの場で藤井さんはなんと言えば正解だったのでしょうか?
勝倉:
見た目を褒める場合は、同じくらい中身も褒めないと……。見た目しか言及しないと「なんもわかってないじゃん」と言われます。やっぱり、萌子さんの内面に関してコメントを入れてあげるべきだった。
急に呼び出されて、萌子さんの情報量も少ない中で発言することは難しい。ただ、萌子さんがスポーツをやっているとか得ている情報もあるじゃないですか。「自分の好きなことを頑張ってる」ぐらいは言える。
些細なことでも、内面に触れておくってことはしておいたほうがいいんですが、藤井さんの場合「君!カワイイーね!」の世界しか見えていない。さすがにちょっと配慮が足らないかな。
聞いてないことを熱弁するな
――エピソード5で初登場した“ストールンローズ”(デート中のバチェロレッテにアプローチできるローズ。受け取ってもらえなければ即座に帰宅となる)を使った結果、散っていった榿澤涼太さんはどう映りましたか?
勝倉:ちょっと重いよね、榿澤さん。
相手を無視して自分の熱い気持ちだけを伝えている、完全にリタイアパターンだなって思った。
そもそも榿澤さんは、萌子さんのペースを無視しすぎ。エピソード3で生け花デートに呼ばれた際も、生け花を完成させず勝手に手紙を読みだしたじゃないですか。まず完成させろだし、課題の生け花で勝負しろだし。
萌子さんとほとんど接点がなかったから焦る気持ちもわかるけど、デートの課題もこなせない人にお気持ちを吐露されてもねぇ……。
――情熱を伝える時間と場所は慎重に選ばないといけないってことですよね?
勝倉:「自分の思ってることを言う」「自分のやりたいことを言う」、これって単純に
コミュニケーションっていうよりパフォーマンスですよね。女性に刺さればいいけど、そうでなければ「まあ、そうだよね……」で終わっちゃう。
エピソード5のカクテルパーティーで「紳士達が愛するホテルを世界中に作る!」と豪語した牧野龍介さんもいただけないパフォーマンスをしていたなぁ……。
榿澤涼太(左)と牧野龍介(中央)。当落線上ギリギリの男たちは自分のことで精一杯……
――詳しく聞かせてください!
勝倉:萌子さんに気持ちを伝えられる貴重な時間に「なんでホテル王の話?お前のドリームの話する?」みたいな。
確かに女性に「俺は~」と夢を語ることはある種、有効ではあります。ただカクテルパーティーで萌子さんは
そんなことを聞いていないですよね。「将来どういう事したいの?」と会話の中でドリームの話になればいいけど、相手に自分の気持ちをアピールする場面で「オレはホテル王になる!」って熱弁されても「あなたの作ったホテル一緒に行きたいわ!」となる女性はいない。
ただ牧野さんには良かったポイントもあって。最初のカクテルパーティーで寒がる萌子さんにジャケットをかけたじゃないですか。「
ジャケットかけスキーム」は昔から定番ですけど、やっぱり効果はありますよね。男性のジャケットって大きいじゃないですか。そこに男性らしさを感じるし、抱きしめられた感覚とちょっと似ているんですよね。視聴者の男性が真似できることを提示したことは良かったかな……、と。
――榿澤さん、牧野さんとストールンローズを争ったエバンズ・マラカイさんはいかがでしたか?
勝倉:マラカイさんは立ちふるまいもキレイだったし、萌子さんの視点でも『バチェレロッテ』を考えていたので、バランス感覚に優れていたと思う。ただ、
ちょっと面白みに欠けていたんですよね。
通訳のエバンズマラカイ。包み込むような優しさはあるものの……
――マラカイさんが萌子さんに渡したノートはどうでしたか?
勝倉:エピソード2の1on1デートの最後、残波岬で渡した例のノートですよね。アピール手段としてやったんでしょうけど、正直アレは嫌だった。自分のコンプレックスについて書かれているじゃないですか、
女性からしたら「正直どうしよ……」と困りますよね。
そもそも男性って、「
自分のことをわかってほしい」「
マイナスな所も受け入れてほしい」って気持ちが強い。交際が深まってきてからなら問題はないけど、出会った当初からそれはキツいです。もっと自分の良いところをアピールしたらいいのになと。マラカイさん、私は17人の男性の中で一番良かったんじゃないかなって思うんですけどね。
かっこ悪さはモテのエッセンス
――続いて、本命とも言われている黄皓さんはどう分析しますか?
勝倉:スペックも高いし、萌子さんと家柄的に合っているのは黄さんなんですけど「スゴく、一歩引いてる感じ」に見えてしまいました。他の男性と比べて、
ハートを閉ざしているところがネックだったと思う。
中国出身の実業家、黄皓。体の仕上がりもバッチリ
結構、ハイスペック男性に多いんですよ、黄さんみたいなタイプ。
自分が傷つきたくないから、率先して引いていく。そういうのやめてほしかったな、萌子さんにめっちゃ見抜かれてたし(笑)。
女性からするとチキンっぽいというか、自信なさげな感じに映るんですよね。要するに魅力的じゃない。かっこ悪い素の部分も見せてほしかったです。
――男性が素の部分を上手に出せる方法ってあるんですか?
勝倉:自分が得意じゃないことに挑戦してわちゃわちゃと焦る、そんな行動をとるといいですよ。
元来、黄さんはモテてきた人ではないと思うんです。過去に恋愛ですごく傷ついた経験もありそうだし……。でも、
恋をして傷つきたくないっていうのは全員そうじゃないですか。もう割り切って、「傷つく事もあるさっ!」と恋愛に挑むほうが良い気がするんですよね。
――杉田陽平さんは大穴的な存在となりましたが、いかがですか?
勝倉:杉田さんは良いところと悪いところがありますね。朴訥としたピュアさって「本心から言ってるな」と思えるから女性には響く。黄さんとは真逆で、本当にピュアに生きているって画面越しでもわかるんです。
ただ、彼は基本的なコミュニケーション能力が低い……。デートで萌子さんが色々と話しかけるけど「あぁ……はい……そうですね……」みたいな、会話になっていないシーンも多かった。もうちょっとはっきりしたこと言えよ!ってツッコみたくなりました(笑)。
――エピソード4のデートで、杉田さんが萌子さんに吊り橋で吊り橋効果を仕掛けていたことが印象に残っています。
勝倉:あのデートはすごく良かったですよね!杉田さんは独特のワードセンスを持っている方じゃないですか!
自分の言葉を伝えられるデートを選択する賢さがありますよね。あと、自分の会社に連れて行った黄さんも良かったなぁ。
台湾で吊り橋を渡り、ランタンを飛ばしてバチェロレッテと絆を深めた杉田陽平
恋愛において、
自分の魅力が生きるフィールドで戦うってことは非常に大事で。2人はまぁその辺がすごいお上手だな、と。ただ2人とも萌子さんと手を繋ごうとした際、許可をとるんですよねぇ……。あれは聞いちゃ駄目でしょ?女性は「え?」ってなりますよ。
あの状況で「いいよ!」とはなかなか言いづらい。
OKなときは女性からサインが出ているはず。男性にはそれを見逃すなって言いたいですね。
熊を倒せないと福田萌子は攻略できない
――バチェロレッテ・福田萌子さんをモテコンサルするとしたら?
勝倉:「真実の愛を探しちゃってる」ところが恋愛を難しくさせていますよね。真実の愛なんてどこにもない。萌子さんが結婚相手と作っていくものじゃないですか!
意外にも萌子さんは「私にぴったりの愛をくれる人がいる」と願う王子様を待ち続けるお姫様タイプですよね。
バチェロレッテ・福田萌子にふさわしい男性とは……!?
――萌子さんにはどんな男性が似合いますか?
勝倉:萌子さんは基本的に上からの立場でものを語ってくるタイプだと思います。それに対抗できる人じゃないと相手できないでしょうね。
それこそマタギみたいな……猟友会の凄腕のハンターをオススメします(笑)。熊をハントできるような、本当の意味で生命力の強い男性じゃないと萌子さんを攻略できないと思う。
――最後にモテコンサル勝倉の“推しメン”3人を教えてください!
勝倉:悩ましい……。1推しエバンズ・マラカイさん、2推し黄皓さん、3推し杉田陽平さんで!
最終話、萌子さんが誰を選ぶのか私も楽しみです!
『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン1
●作品概要
タイトル:『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン1
配信開始日: 2020年10月9日(金)
※当番組は2019年~2020年3月に収録。
制作:Amazon
バチェロレッテ:福田萌子
司会進行役:坂東工
スタジオトーク出演:ナインティナイン、SHELLY
<取材・文/ヨシムラヒロム>
提供:Amazonプライム・ビデオ
'86年、東京都生まれ。武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業。イラストレーター、コラムニスト、中野区観光大使、大正大学客員准教授。書に『美大生図鑑』(飛鳥新社)