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『バチェロレッテ・ジャパン』は真のリアリティーショー/明石ガクト

 これまでに3シーズン配信され、その結末や参加者同士のバトルが常に話題となっている、Amazon Prime Videoの婚活サバイバル番組『バチェラー・ジャパン』。独身男性の「バチェラー」をめぐって、パートナーとなるべく約20人の女性が熾烈な戦いを繰り広げる。  本日10月9日に配信がスタートするのは、同シリーズの男女逆転版『バチェロレッテ・ジャパン』の“シーズン1”。超セレブ美女が17人の男性から結婚相手として選ぶのは誰なのか!?

みんな大好き「カクテルパーティ」も健在だ

 今回は週刊SPA!で「動画オーバードーズ」を連載中のエンタメ番長、明石ガクト氏(ワンメディアCEO)に一足先に本作を視聴してもらった。『バチェロレッテ・ジャパン』をどう楽しめばいいのか、要チェックだ(以下、明石氏の寄稿)

リアリティーショーにおけるリアリティーとは何か

 2020年はリアリティーショーにとって大きなターニングポイントを迎えた特別な年だった。後世、そんな風に振り返る人々がありありと浮かぶ。それは『バチェロレッテ・ジャパン』を観たからだ。  リアリティーショーにおけるリアリティーとは何だろう?台本が無いこと?演技をしていないこと?  答えはシンプルで、キャストが本人としてそのまま参加していることにあると僕は考える。多くの場合、キャスト達はInstagramやTwitterといったSNSアカウントを持っており、我々視聴者との距離感は非常に近い。それゆえにリアリティーショーはキャストの実在性によってリアルさが担保されているのである。  テレビドラマの中の交われないスターよりも、直接コメントやメッセージを送れるリアリティーショーの参加者。そんな距離感の近さ故に、時に行き過ぎた言葉がSNSを埋め尽くし、批判の的になり得ることもある。コロナショックも相まって、リアリティーショーというコンテンツそのものの存続も危ぶまれたのが2020年だったと思う。  そんな特別な年の最後に、満を持して登場するのが『バチェロレッテ・ジャパン』だ。大真面目に、あえて言おう。日本のリアリティーショーは、バチェロレッテ以前と以後で分けられるものになるはずだ。今回、その理由を解説しつつバチェロレッテ独自の魅力を掘り下げていきたいと思う。

野郎どものフェアプレーに宿る圧倒的なリアル

 今回、バチェロレッテを巡って戦う男性参加者の中で特に目を引く存在が「當間ローズ」だ。名前に “ローズ” を冠するラテンのオーラバリバリの彼、実は僕も一度テレビ番組で共演させていただいたことがあるが、眉目秀麗、筋肉ムキムキで、ディズニー映画に出てくるプリンスそのものな雰囲気である。そんな彼がバチェロレッテに対して行ったあることを “謝罪” するシーンを観て、僕はハッとさせられた。

デートでの熱烈アピールで健闘する當間ローズ。水着はブーメランパンツ

 これまでのバチェラーでは女性から男性へのアプローチだから容認されていたような性的にスレスレの行為が多く存在していた。突然オイルマッサージを仕掛けるような現実社会ではありえない展開(バチェラー3)など、今回のバチェロレッテには存在しない。男たちがそれぞれ、持ち前の個性を活かしフェアプレーで戦うそれは、金曜の夜に各地の「横丁」で目にする圧倒的なリアルだ。 「番組だから……」という言い訳に頼らず、真っ当に恋愛というものを描こうとする強い意志を見たような気持ちだ。バチェロレッテという女性が中心になる構造になったからこそ実現した新境地といえよう。

きっと誰もが福田萌子に夢中になる

旅の終わりを告げるローズセレモニーは涙なしには見られない……

 バチェロレッテの福田萌子は、もちろん美貌やスタイルに恵まれている。だが視聴者は彼女のルックスよりも、その明るくひたむきに頑張る姿にすぐに夢中になってしまうはずだ。これまでの “成功者がトロフィー妻を探す” とは違い “挑戦者が伴走できるパートナーを探す” という構図になっていて、単なる恋愛リアリティーショーとは違う、まるで “朝ドラ” ヒロインの成長を見守るような面白さも生まれている。これまでのバチェラーシリーズの放つ強い輝きの裏側で生まれる「こんなの結局成功した男のエゴでしょ」という後ろ暗い感情は生まれない。  これまでのシリーズでは、高級スポーツカーを乗り回すバチェラーの姿など、わかりやすいお金持ちとの恋愛を描こうとしていた。福田萌子のそれはサイクリングやヨガをしている彼女の姿であり、むしろ精神的に自立した大人の女性を想起させる。こういった点から言っても、バチェロレッテは圧倒的に「オトナの恋愛リアリティーショー」なのである。 気になるあの子と一緒に観てほしい、彼女がどんな目線で男性を選ぶのかわかるから今回、一般視聴者に先んじてチェックできる機会なので「これはドヤるしかない…」と思い、女性と一緒に鑑賞させていただいた。そこでの気付きこそがSPA!読者の皆さんに最も伝えたいことである。  シリーズにおける初回エピソードでは定番の、参加者たちが一人ひとり自己紹介をしていくシーンがある。一緒に観ている女性が「ああ、こういう長いスカーフ巻いてるタイプの人無理~」とか「この人は性格良さそう」「顔はカッコいいかもしれないけどキャラ薄すぎて記憶に残らない」などなど、講評を始めたのだ。彼女がそんな風に男性を見ていたなんて……過去のシリーズでも同じように初回で誰が落とされるか?とか当たり前に予想していたが、対象が自分と同じ男性になっただけで二人の間を流れる緊張感がまるで違うものになったように感じる。  裏を返せば、我々オッサンがこれまでのシリーズでいかに女性を値踏みするように鑑賞していたのかが赤裸々に暴かれてしまったような気持ちだ。自分がしてきたことの意味を、される側になって初めて理解する。小学生の頃、教室の壁に書かれていた「相手の立場になって行動しましょう」という標語が四半世紀の時を超えて重くのしかかる。 

明石ガクト流:バチェロレッテ鑑賞術

 ここまで僕の暑苦しい文章にお付き合いいただいた皆さんに、バチェロレッテを三倍楽しく観るコツをお教えしたいと思う。 ①誰がパートナーに選ばれるか予想する  ギャンブルの歴史を紐解くまでもなく、予想が当たるか外れるかは最高のエンタメだ。できれば初回エピソードのファーストインプレッションで決めて、紙に書いておくとより盛り上がる。ちなみにシリーズのジンクスとして、ファーストインプレッションローズを渡された相手は最後まで残れないというものもあったが、バチェラー3においてその定説は覆されている。 ②推しを決める  純粋な予想と、個人の願望は異なるものである。他のみんながなんて言おうと自分はこの人を応援する。つまり “推し” である。推しは何話か観てじっくり決めていってもいい。推しと自分の感情を同調させれば、君はもうバチェロレッテの世界の中にいる。 ③気になる参加者のInstagram、全部フォローする  多少上級者向けだが、これをやるのとやらないのとだと、参加者に対する親近感が全く変わってくる。熱心なファンはインスタの投稿内容を見て深読みすることはもちろん、誰と誰は相互フォローだが誰々はフォロー外されている、みたいなことを分析したりもしている。以上のポイントを抑えて鑑賞すれば、より一層楽しめることは間違いない。思う存分この沼に浸かってみてほしい。だけど、誹謗中傷は「ダメ。ゼッタイ。」だぞ。  さぁ、いよいよ『バチェロレッテ・ジャパン』の幕開けだ。 覚悟はいいか?オレはできてる。 バチェロレッテ・ジャパン ●作品概要 タイトル:『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン1 配信開始日: 2020年10月9日(金) ※当番組は2019年~2020年3月に収録。 制作:Amazon バチェロレッテ:福田萌子 司会進行役:坂東工 スタジオトーク出演:ナインティナイン、SHELLY <文/明石ガクト> ’82年、静岡県生まれ。動画メディア「ONE MEDIA」CEO。著書に『動画2.0』(NewsPicks Book)、『動画の世紀 The STORY MAKERS』(NewsPicks Select) 提供:Amazon プライム・ビデオ
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