街で見かける電動キックボードの正体、海外では時速70kmのマシンも
10月、東京都内で電動キックボード公道走行の実証実験が開始された。これはシェアリングモビリティーを手がける企業が展開するサービスで、東京都内では丸の内、渋谷区、世田谷区、西新宿を舞台に来年3月まで継続される。
この実証実験は、もちろんながら政府公認の事業。経済産業省の後押しで、電動キックボードを車道及び普通自転車専用通行帯で走行できるようにする。また、これとは別に港区で電動キックボードのシェアサービスを始めた企業も存在する。
もしかすると、すでに街中で電動キックボードを見かけたことがあるという人もいるかもしれないが、そもそも本当に便利なのだろうか? そして、安全な乗り物なのだろうか?
世界視野で見れば、電動キックボードは普及が著しい乗り物である。その理由は、省スペースかつエコロジーだからだ。
電池とモーターの性能向上で、キックボードにも動力をつけられるようになった。アメリカでは5年ほど前からクラウドファンディング等での電動キックボードの出展が相次いでいて、日進月歩の勢いで速度性能も飛躍した。
自宅で充電でき、煩わしい渋滞もらくらく回避。そして乗り終わったら折り畳んでオフィスの隅に置くことができる電動キックボード。確かに合理的な乗り物である。しかしアメリカの製品は、日本人から見れば「何だこれ!?」と思えるようなものばかりだ。
ひとつ例を挙げれば、2016年にクラウドファンディングIndiegogoで巨額の出資金を集めた『Eon Scooter』である。なかなか本格的なタイヤが装備された製品だが、その最上位版の時速は45マイル。メートル法換算では時速約72km。もはや原付二種のスペックである。
トルクも優れていて、45度の傾斜を登ることができるが……こんなの日本の公道で乗れるのか!?
日本における電動キックボードの扱いは、原動機付自転車のそれと同等である。即ち運転者は免許が必要で、ヘルメット着用の義務がある。そして3車線以上の道路では二段階右折をしなければならない。
何より、原付である以上は装備品も必要だ。フロントライト、ブレーキランプ、ウインカー、バックミラー、一番肝心なのはナンバープレート。個人輸入で入手した電動キックボードをアメリカンスタイルのまま公道で乗り回してパトカーに捕まった……という例もあるから、その辺は気を付けなければならない。
都内で実証実験を行っているLuupとEXx、そして今年8月から港区芝浦でのオペレーションを開始したmovicleの電動キックボードは、当然ながら日本の保安基準に従っている。この利用者は事前登録制だが、搭乗する際は必ず貸出ヘルメットを着用し、免許も携帯する。飲酒状態での運転は論外だ。
アメリカでは時速70km超のモンスター級キックボードも
日本では「原付扱い」
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