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『桃太郎電鉄』に続くか? 懐かしのボードゲーム大ヒットの可能性

ゲームコラムニスト・卯月鮎

卯月鮎

動画映えするボードゲームに追い風!

 昨年11月に発売された『桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!~ 』が、予想をはるかに超える250万本突破の大ヒットで注目を集めています。このヒットの要因は、1つは初搭載のオンラインプレイで友達と気軽に遊べるようになったこと。もう1つはゲーム実況動画が盛り上がったこと。日本全国を舞台にしている親しみやすさと二転三転する派手なゲーム展開はもともと実況動画向きで、時代の流れにマッチしたといえます。  この『桃太郎電鉄』効果でテレビゲーム界にボードゲームブームはやってくるのか? 今回のコラムでは懐かしのボードゲーム大ブレイクの可能性を探ってみたいと思います。

『いただきストリート』(1991年)

 ファミコン時代、『桃太郎電鉄』と並んで人気があったのが『いただきストリート』(1991年)。『いただきストリート』の生みの親は『ドラゴンクエスト』の堀井雄二さんでした。RPGを2本並行して担当するのは辛いという理由から、ボードゲームを制作したとか。  最近作としては『いただきストリート ドラゴンクエスト&ファイナルファンタジー30th ANNIVERSARY』が2017年に発売されています。オンライン対戦に対応していましたが、爆発的なヒットには至っていません。
いただきストリートドラゴンクエスト&ファイナルファンタジー30th ANNIVERSARY

『いただきストリート ドラゴンクエスト&ファイナルファンタジー30th ANNIVERSARY』公式サイト

 モノポリータイプで株の要素もあり、戦略性が高いゲーム内容。有名人のゲーム実況を通じて間口を広げるなら、ボードのマスを日本の地名やリアルな店舗の名前にするのも手かもしれません。面白さは折り紙付きだけに、ボードゲームファン、テレビゲームファン以外を呼び込めればチャンスは大きそう。

『爆笑!!人生劇場』(1989年)

『爆笑!!人生劇場』は、初代が1989年にファミコンで発売されたコミカルなボードゲーム。「人生ゲーム」系のすごろくで、幼稚園から始まり、就職、結婚を経て一番のお金持ちを目指します。福笑い風にパーツを並べて顔を作れるのも人気でした。 『大江戸日記』『ずっこけサラリーマン編』などシリーズ作も多く、家庭用ゲーム機ではPS2の『爆笑!!人生回道 NOVAうさぎが見てるぞ!!』(2004年)まで続いていました。
人生劇場

最大4人まで遊べた初代『爆笑!!人生劇場』

 カジュアルでバカゲー的な雰囲気もあるためゲーム実況受けは抜群でしょう。オンライン対戦が導入された新作が出れば、『桃鉄』的なパターンでまさかの大ヒットも狙えるかも。『爆笑!!人生劇場』シリーズ以外では、ファミコンで人生を体験するボードゲームとしてサミーの『嗚呼!野球人生一直線』(1992年)も懐かしいですね。
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料理を作る異色のボードゲーム!?
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ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も

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