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『ファミスタ』『燃えプロ』…ファミコン野球ゲーム進化の歴史

ゲームコラムニスト・卯月鮎

卯月鮎

 まもなく3月26日に今年のプロ野球が開幕。野球ファンは「さあ、始まるぞ!」と気合いが入るころでしょうか。というわけで今回は、初期のファミコン野球ゲーム(1983~1988年)の進化の歴史を振り返っていきたいと思います。

『ベースボール』(任天堂/1983年)

 ファミコンで最初に発売された野球ゲームといえば、青いカセットでおなじみの『ベースボール』。1983年、ファミコン本体と同年のタイトルです。
ベースボール

任天堂『ベースボール』

 野球ゲームといっても、まだおもちゃの野球盤のイメージがあり、守備はオート。それでも「T」「G」「S」など、セリーグの球団を思わせるチームが用意され、ファミっ子は想像力を膨らませながらプレイしていました。

『プロ野球ファミリースタジアム』(ナムコ/1986年)

 野球ゲームを一気に進化させたのは、1986年発売の『プロ野球ファミリースタジアム』。進化には2つのポイントがありました。ひとつは“野球”としての完成度。走攻守のすべてが揃い、打った手応えや守備の感覚もリアル感がありました。
ファミスタ

ナムコ『プロ野球ファミリースタジアム』

 もう1つ、“プロ野球”という切り口も全面に押し出されていました。「ナムコスターズ」を含む全10球団が選択でき、選手名はほぼ実名。変化球の曲がり具合や打球の伸び、足の速さなども異なっていました。プロ野球ファンが熱を入れて遊べる、そんな夢のゲームが誕生したのです。

『燃えろ!!プロ野球』(ジャレコ/1987年)

 1987年発売の『燃えろ!!プロ野球』は、テレビ中継を意識した画面デザインが新鮮だったタイトル。現在はどれだけテレビ中継そっくりかも野球ゲームの評価軸のひとつとなっていますが、その先駆けといってもいいでしょう。当時としては、各投手の迫力あるモーションや審判の合成音声も臨場感がありました。
燃えプロ

ジャレコ『燃えろ!!プロ野球』

 ただ、ホーナーやバースなどはバントしただけでホームランになり、キャッチャーの手はどこまでも伸び、ストライク・ボールの判定もバグがありメチャクチャ。それゆえ、バカゲーと呼ばれることも多いですが……。
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異色だった『ベストプレープロ野球』
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