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「第2の酒鬼薔薇聖斗」はなぜ野放しにされたのか?少年院を満期出所も繰り返された悲劇

 なぜ、モンスターは野に放たれたのか……?  ’19年、茨城県内で起きた一家4人殺傷事件で茨城県警は岡庭由征容疑者(26)を逮捕した。

矯正不可能な「元少年」を社会はどう包摂すべきか?

少年法

写真/時事通信社

 岡庭は中学生の頃から、セミやカエルを切り刻んで遊び、高校では切断した猫の生首を教室に持ち込むなど、少年時代から「サイコキラー」の片鱗を見せていたという。  異常行動は年を重ねるごとにエスカレートし、岡庭が16歳だった10年前には、隠し持っていた刃物で中学3年生の女子生徒と小学2年生の女児を襲撃。  この「連続通り魔事件」の公判で岡庭は、凶行に用いた包丁に付着していた被害女性の血を舐め、自慰行為に及んだことを告白しているが、少年法の壁で刑事罰を受けることはなかった……。 「『第2の酒鬼薔薇』のようだ」  今回の事件はまだ容疑段階であり、全容解明が待たれるが、岡庭の常軌を逸した残虐性に、’97に年神戸連続児童殺傷事件を起こし、社会を震撼させた酒鬼薔薇聖斗こと少年Aとの類似点を指摘する声も多い。

酒鬼薔薇聖斗こと少年Aとの共通点

 精神科医の片田珠美氏は岡庭と少年Aとの共通点をこう分析する。 「2人とも性的サディズムです。他人を傷つけたり殺したりすることに性的快感を覚えており、性衝動と攻撃性が密接に結びついています。また、猫を殺すなど小動物を虐待することから始まって、徐々に攻撃をエスカレートさせ、ついには殺人に至った点も共通しています。  さらに、岡庭容疑者も少年Aも動物虐待や殺人そのものに性的興奮を覚えており、快楽殺人犯です。ふつうの人が性行為で得る快楽を、殺人で得ていると考えられます」  連続通り魔事件後、岡庭は家裁から検察に逆送される。再犯の恐れもあり、刑事裁判にかけられたが、精神鑑定で「広汎性発達障害」と診断がおり、医療少年院に送られることとなった。
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当時の司法判断は正しかったのか?
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