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コロナ後の世界経済はどう変わる? インフレを恐れない政治は吉か凶か

コロナ前とコロナ後で、ビジネスはどう変わったのか?

上念司

上念司氏

先行きが読めず、めまぐるしく変わっていく経済市況。コロナ前とコロナ後で多くのビジネスや社会価値が変容するなか、今後の経済動向はどう変化していくのか。経済評論家で経営者でもある上念氏が解説する。(以下は、上念司著『誰も教えてくれなかった 金持ちになるための濃ゆい理論』の一部を編集したものです) よく、「コロナ以前とコロナ以後でビジネスの環境に大きな変化はありますか?」という質問を受けます。ここで日経新聞なら、劇的に進んだDX(デジタル技術による変革)やそれに伴うライフスタイルの変化など、誰の目にも分かるような表層的な変化を捉えてテキトーなことを言うでしょう。

生活スタイルは変わらない

でも、問題はそこではありません。確かに、人々の「動き」は大きく変わりましたが、それは何か原因があって変わったからです。感染症による行動制約はその一つです。しかし、パンデミックが終わればその制約は解除されます。解除されれば人々の生活は2019年以前の元の生活に戻るでしょうか? 対面、紙、ハンコの廃止にリモート会議、在宅勤務や各種フードデリバリーなど、コロナ禍で私たちはより便利な生活を手に入れてしまいました。コロナが終わったからと言ってそれを元に戻すのは無理です。もちろん、緊急事態宣言下のように100%デリバリーみたいな状態は続きませんが、最低でも3割、下手すると7、8割ぐらいこの便利な生活は残るのではないでしょうか? そもそも、政府がデジタル庁を作ってこれに取り組むわけですから、面倒くさい役所の対面、紙、ハンコ仕事も激減するはずです。当然、民間も右へならえでしょう。浮いた時間はどう使います? 使える場所がありますか?
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どんどん消えていく都心のオフィス
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1969年、東京都生まれ。経済評論家。中央大学法学部法律学科卒業。在学中は創立1901年の弁論部・辞達学会に所属。日本長期信用銀行、臨海セミナーを経て独立。2007年、経済評論家・勝間和代氏と株式会社「監査と分析」を設立。取締役・共同事業パートナーに就任(現在は代表取締役)。2010年、米国イェール大学経済学部の浜田宏一名誉教授に師事し、薫陶を受ける。リフレ派の論客として、著書多数。テレビ、ラジオなどで活躍中

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ポストコロナの経済サバイバル術

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