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TikTokで話題の「2m社長」を直撃。身長の高さで他社との差別化を

 10代〜20代を中心とした若年層に爆発的な人気を得ているSNS「TikTok(ティックトック)」。“歌ってみた”や“踊ってみた”といった定番コンテンツのほか、癒し系やお笑い系など、TikTokには日々多くの動画が投稿されている。  最近では、企業もTikTokを活用してマーケティング活動や採用活動に生かす動きも見られる。そんななか、「2m社長」と銘打ったTikTokの動画がバズり、話題を呼んでいる企業を発見した。
廣瀬暁己

“2m社長”こと株式会社freemova 代表取締役の廣瀬暁己さん

 それが、2019年に創業したばかりの株式会社freemovaだ。2mの身長を誇る社長は、一体何者なのだろうか。同社の代表取締役を務める廣瀬暁己さんに、会社の事業内容やTikTokに力を入れ始めた理由について話を聞いた。

20代に特化した人材紹介事業を展開

廣瀬暁己 廣瀬さんはもともと全国に40箇所ほどの支店を持つ大手の人材会社で働いていた。そこではキャリアアドバイザーとして、日々さまざまな求職者と相対していたそうだ。  しかし、求職者に合いそうな求人があっても、会社都合で注力する求人が決められてしまっており、納得のいく提案がしづらい環境に違和感を抱いていたという。  そこで、自分で人材紹介会社を立ち上げようと思うようになり、2019年8月にfreemovaを設立した。  今年で3期目を迎え、現在では70名の従業員数を抱える規模にまで成長を果たしている。そんな廣瀬さんに会社の事業内容について伺った。 「当社では人材紹介事業と家電量販店や携帯ショップへ人材を派遣する通信事業を行っています。特に主力になっているのが人材紹介事業です。他社と違うのが20代の若手人材に特化していること。というのも、私がキャリアアドバイザーとして働いている際に『20代の求職者は、“将来どうなりたいか”というのをあまり明確に考えていないのでは』と感じていたからです。  キャリアの浅さ、自分の能力などを考えたときに新しい職種や業界へ挑戦しようとせずに、仕事の選択肢を狭めてしまっている。そんな20代の求職者における実態を知っていたからこそ、『もっと自分の将来性や可能性に気づいてもらい、キャリアの支援をしたい』と考えるようになったんです。こうした思いから、20代の若手人材をメインとしたキャリアサポートを根幹にして事業を展開しています」  一般の人材紹介会社が、1人の求職者にかける面談時間はおよそ2時間だという。対してfreemovaはというと、その5倍にあたる10時間も求職者に対して面談を重ねているそうだ。 「1人に対して何度も何度も話していき、その人の特性やキャリアの可能性、将来の目標などを明確化していきます。業界の枠に縛られず、幅広い視野を持ってもらうことで、自分のやりたい仕事を見つけてもらえるよう心がけています。そのため、他社よりも丁寧に事細かく面談を行っているんです」

他社の「社長シリーズ」とは差別化を図りたかった

 そんななか、2021年11月から会社としてTikTokへの投稿をスタートさせ、新たな試みに取り組んでいる。  TikTokを運用するようになったきっかけについて、廣瀬さんは「手がけている事業も、会社の採用も20代をメインにしているので訴求しやすいと思った」とし、次のように説明する。 「20代に対してもっと会社の認知度を高めようと、インスタグラムやTikTokといったSNSに注目していました。なかでも、TikTokは新規参入がしやすく、ユーザーのおすすめに上がってきやすい。うまく使いこなせばバズらせることもできるのではと思い、半ば手探り状態でTikTokを始めたんです」  思い立ったが吉日、まずは実際にTikTokで毎日動画を投稿し、コンテンツの試行錯誤をしながら継続してきたという。
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「2m社長」シリーズが大反響
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1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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