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「ハンバーガーを1日15個食べた日も」23歳社長が挑む“ファストグルメバーガー”の日本定着

 誰もが知る定番グルメとして名高いハンバーガー。かつては、ファストフードチェーンなどで手軽に食べられる印象が強かった。だが、近年では厳選した食材や旨味を引き出す製法にこだわった「グルメバーガー」が台頭してきている状況だ。  特にコロナ禍では、外食企業がこぞってハンバーガー専門店を立ち上げ、新たな活路を見出す動きも顕著になっている。こうした本格志向のハンバーガーを高価格帯で売る業態が増えるなか、新時代の“ファストグルメバーガー”と銘打つのがブルースターバーガーだ。
西山泰生

株式会社ブルースターバーガージャパン 代表取締役社長の西山泰生さん

 今回は、 株式会社ブルースターバーガージャパンで代表取締役社長を務める西山泰生さん(23歳)に、グルメバーガーブームのトレンドや今後の展望について話を聞いた。

アメリカでハンバーガーを1日15個食べた日も……

 西山さんは、外食大手ダイニングイノベーション・創業者の西山知義氏の長男として育った。 「やきとり家すみれ」や「焼肉ライク」など人気外食チェーンを生み出してきた経営者の息子として、自然と飲食店経営に興味を持つようになる。  どのような業態にすべきか考えていたところ、ハンバーガーの魅力に気づき、事業の構想を練るようになったそうだ。 「お店を出すにあたり、まずはハンバーガーのことを知ろうと思い、アメリカに行きました。アメリカには“グルメバーガー”という呼称はなく、ファストカジュアルという位置付けになっているんですが、さすがハンバーガーの本場だなと感じました。  現地ではひたすらハンバーガーを食べ歩いたのを覚えていますね。時には1日に15個くらい食べたこともあります(笑)。日本に帰国してからも、全国にある有名なハンバーガー専門店に足を運んだり、実際にハンバーガーチェーンでアルバイトをしたりと、ハンバーガーについて研究しながら知見を積み重ねていきました」

マスメディアへの露出がグルメバーガーブームのきっかけに

 そして、たどり着いたのがファストグルメバーガーだった。  バーガーを構成するパティやバンズ、野菜などの鮮度はもとい、調理の仕方や作りたての提供にこだわり、手頃な価格で提供する。  “気軽に毎日でも買えるグルメバーガーショップ”を目指し、2020年11月にブルースターバーガー1号店を中目黒に出店したのだ。  だが、さまざまある食ジャンルのなかでもグルメバーガーを選んだのはなぜなのか。西山さんは「話題になっていたグルメバーガーを、もっとカジュアルに楽しめるお店を作りたかった」とし、次のように説明する。 「日本のグルメバーガーブームに勢いをつけたのは、2015年に外苑前にオープンした『シェイク・シャック』でした。これまで、グルメバーガーを食べたことがない人にもグルメバーガーの認知が広がるきっかけになったんです。  その後、UMAMIBURGERの進出や日本の外食チェーンも専門店を立ち上げ、グルメバーガーの裾野が広がっていきました。さらに、ブームに拍車をかけたのがTVドラマ『女子グルメバーガー部』(テレビ東京系)の放映でした。  地上波放送だったこともあり、グルメバーガーの関心度を高めるのに寄与したんです。そんななか、素材や製法、おいしさにこだわったグルメバーガーを手頃な価格で提供したかった。『高品質×低価格』を打ち出し、より多くのお客様にグルメバーガーを食べてもらいたいという思いから、ブルースターバーガーを立ち上げたんです」
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高級食材や製法にこだわったグルメバーガーが人気
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1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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