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なぜプーチンを擁護?今あえて鈴木宗男氏に聞く、プーチンの頭の中

  ロシア軍による無差別と呼べる攻撃で、ウクライナでは子どもを含め多くの民間人が犠牲となっている。戦線は拡大する一方で、家を失った避難民はすでに250万人を超えた(3月11日時点)。言論統制下のロシア国内からも反戦の声は高まり、1万人以上の抗議者が拘束されたという。  世界中からプーチン大統領に批判が集まるなか、“プーチン擁護”とも取れる発言で批判を浴びているのが参議院議員の鈴木宗男氏だ。鈴木氏はプーチン大統領と4回面会したことがある。国際社会からは常軌を逸した独裁者にしか見えないプーチン大統領。何を考え、ウクライナ侵攻を決断したのか。いまあえて、鈴木氏に聞いてみた(以下、鈴木氏のインタビュー)。
鈴木宗男

鈴木宗男氏

鈴木宗男氏が語るプーチン大統領

* * * * *  プーチン大統領は約束を守る人です。  初めて会ったのは、‘99年9月、オークランドで開かれたAPEC(アジア太平洋経済協力)でした。このときはまだエリツィンが大統領でしたが、体調不良のために当時首相だったプーチン氏がロシアの代表として参加していました。  ちょうどキルギスで日本人技師4人が拉致される事件が発生しており、なんとかロシアに協力してもらいたかった。すると首脳会談が始まるとすぐにプーチン氏から「日本人はみな元気だ。情報は持っている。日本に協力する」と言ってきたんです。外交カードとして使うこともできたのに、そうしなかった。「人情味溢れるかただな」という印象を強く持ちました。

小渕総理が脳梗塞で倒れた直後の出来事

 次は’00年4月、特使としてモスクワへ飛びました。その前日に小渕総理が脳梗塞で倒れてしまう。小渕総理は倒れる直前までロシア外交への熱意を語っていました。森次期総理から「ケイちゃん(小渕総理)が最後に言ったのは、君(鈴木氏)をモスクワに派遣するから協力してくれ」だったと聞きました。  当時の私は自民党総務局長(現在の選挙対策委員長)でプーチン氏は次期大統領。私とはあまりにも格が違うので、会談が始まっても彼は椅子の背もたれにかけて、仕方なく話を聞いているという雰囲気が伝わってきた。  このままではまずいと思った私は、ちょうどその部屋が1年半前、エリツィン大統領と小渕総理が会談した部屋だったことをとっさに思い出しました。そこで、「小渕総理は生死をさまよっているが、いま、ここに小渕総理がいるという思いで私はあなたに会っている」と訴えると、自然に涙が落ちた。すると彼は前のめりになって、真剣に聞いてくれた。
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「プーチン大統領は一切ブレていない」?
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