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パチンコ業界団体の通告により“脱法状態”のYouTuber&ライターイベントが一網打尽の危機に

ホール団体から出された通達が波紋を呼ぶ

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パチンコユーチューバーの収録を告知するポスター。一般的な知名度のある演者はいないが、来店ビジネスとして成り立っている。なお、一番右のポスターのチャンネル登録者数は、2022年10月上旬時点で6人だった

 9月中旬、中部地方のホール団体から加盟ホールに向けて「ユーチューバー、パチンコライター等の広告宣伝について」という文書が出されました。  その内容をかいつまんで紹介すると、「ユーチューバーやパチンコライターがホールの特定日や特定台をユーチューブやツイッターなどで紹介しているけど、そういった行為にホール側が関与しているとしたら、著しく射幸心をそそる行為であり風営法に抵触するよ」というものです。
パチンコ

こちらが中部地方のホール団体から加盟ホールに向けての通告文書

 Youtube上の人気ジャンルのひとつにゲームの実況動画がありますが、パチンコ・パチスロの実戦動画も一定かつ安定した再生数を稼げるジャンルとしてのポジションを確立しているようで、個人だけではなくファン向け媒体、さらにはホールやメーカーまで色々な立ち位置からの動画がアップされています。そして演者の腕や編集技術などクオリティは千差万別ですが、どれもそれなりに見れてしまうのがパチンコ・パチスロ動画というもの。  リーチなどの演出をひたすら垂れ流していれば実際に打っているような気持ちになりますし、それでいて激アツを外しても見ている側の財布にダメージは一切なし。逆に外れた方が面白かったりして、とりあえず新台をいち早くアップすればそれなりのアクセスを稼げたりしますから、いっちょやってみようかと思う人も少なくありません。  その結果、ホールでひたすらスマホを構えながら打っているような人を頻繁に目にするようになりましたが、「今から人気チャンネルになるのは難しいけど頑張ってください」とエールを送りたいです。

2011年にもホールに対して広告規制の通達が……

 そうやって小遣い稼ぎ目的とか趣味的にやっている分にはまったく否定しませし、いつも楽しませていただいてありがとうという感じでありますが、そこに「ホール側の関与があったら別だよ」というのが前述の文書の意図するところでしょう。  2011年の東日本大震災直後、都知事の発言をきっかけにホールに対して大々的なバッシングがありましたが、この火消し的に行政は2011年6月に「ぱちんこ営業における広告、宣伝等に係る風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律違反の取締り等について」という通達を発出しました。  それまで客寄せとして「釘が開いているよ」とか「高設定を大量投入しているよ」みたいな出玉をアピールしていたイベントが当たり前に行われていたものを、そういう行為は射幸心を著しくそそるからまかりならん、ついでに派手に煽って目立ったらさらに世間から叩かれるよといったことを発したわけです。後半はあくまで筆者の想像ですけど、とにかくこれで出玉で煽るような内容の広告宣伝は規制される流れになりました。
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ステマ、晒し屋が横行してカオスな様相を呈する
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ライターとして25年のキャリアを持つパチンコ大好きライター。攻略誌だけでなく、業界紙や新聞、一般誌など幅広い分野で活躍する。

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