河合優実(22歳)、初主演で“一発本番”提案「もっと本音で話したら早いのに」
出演映画は、昨年公開されたものだけで実に8本。それも『ちょっと思い出しただけ』『PLAN 75』『ある男』と話題作、秀作ばかりと、デビューからまだ4年のキャリアと聞いて、驚かざるをえない。そんな快進撃を続ける河合優実(22)が、長編映画初主演を果たした。とはいえ、河合は初主演について率直にこう話す。
「喜びより怖さのほうが、大きい」
――デビューから4年ほどですが、たくさんの映画に出ています。そして長編映画の主演は本作が初です。改めて主演に際して思うことを教えてください。
河合優実(以下、河合):こうして言っていただくたびに、大切なことなんだなと感じています。私自身、映画を観るときに、「あの人の映画ね」とか主演の人の印象で作品を覚えていたりするので、大きなことなのだと思います。この作品は4つのエピソードで成り立っていますが、その一番手をやっているのだと、看板を背負っているのだという思いがあります。
――スタッフロールや台本でも最初に名前が出ます。
河合:喜びとともに、気が引き締まります。喜びより怖さのほうが、大きいかもしれません。「来たな」というか。改めて「頑張るぞ」という思いです。
――卒業式の答辞を読むシーンがあります。リハーサルなしの一発本番で撮られたそうですが、河合さん自身がお願いしたとか。ほかの現場でもそうした提案をされることはあるのですか?
河合:いえ、なかなかないことですよね。すごく自分勝手なことですし。カメラマンや照明、監督さんはもちろん、スタッフのみなさん、テストを必要としているわけですし。それを新人の私が、一発本番をお願いするというのは、本当になかなか大きな一手だったと今は思います。ただ最初に中川駿監督が、「一緒に作っていきましょう」と明確に伝えてくださって、どうしてもこのシーンはテストなしのほうがいいものが撮れると思ったので、お願いしました。
――それは気持ち的に重ねられないと思ったからですか?
河合:重ねてもいいんです。でも1回目が絶対に1番新鮮ではあると思ったんです。テストなしという意味合いより、テスト段階から、本番と同じようにカメラを回して撮影したといったほうが正しいかもしれません。1発撮りというより、1回目から撮っていただいたという感じです。
河合は、朝井リョウの同名連作短編小説を実写映画化した『少女は卒業しない』で、彼氏へのある思いを抱えたまま、卒業生代表として答辞を読むことになった料理部部長の山城まなみを演じた。プレッシャーを感じつつも、撮影中には自ら“リハーサルなしの一発本番”を申し出るなど、彼女が映画界で引っ張りだこの理由が垣間見られる。
昨年、ニューヨークを訪れたことで「新たなゾーンに入った」ともいう河合に、今の“ホンネ”を赤裸々に語ってもらった。
初主演は、喜びより怖さのほうが、大きい
リハーサルなしの一発本番を自らリクエスト
ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。X(旧Twitter):@mochi_fumi
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