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「変化を嫌う、職場の老害」が生まれるワケ。仕事が“10倍効率化”しても不機嫌に

 仕事をしていれば、会社の仕組みや働き方について「こうすればもっと早いんじゃないか?」と感じる機会は少なくないはず。もちろん理由があって仕組みが成り立っていることもあるが、たいていは「昔からこうだった」という言葉で片付けられるものだ。
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※画像はイメージです

 そして古い仕組みを効率的に変えようとした時、「別に変えなくていいよ」と言われた経験のある人も少なくないだろう。  この現象について昨年8月、「驚かれるかもしれませんが、今やっている方法よりも効率的な進め方を提案した場合、感謝されると思いきや不機嫌にされることは意外に多いです」と語ったツイートが、現在(2023年3月)までに2.6万件を超えるいいね!がつくなど、多くの共感を呼んでいる。  ツイート主は業務改善サービスなどを提供する株式会社リビカル代表の元山文菜氏@ayana_motoyama)。業務コンサルタントである元山氏に、ツイートの真意や効率的なやり方に反対する人の心理などついてインタビューをおこなった。

1日がかりだった「仕事」が5分程度に短縮

――今回話題になったツイートは、どういった経緯で発信したものだったのでしょうか。 元山文菜(以下、元山):業務コンサルという仕事をするなかで、アナログの作業をデジタルに置き換えるデジタルシフトや、単純作業をロボットに任せるRPAなどを提案することは多いんです。もちろん提案するからには、時間効率とコストをきちんと勘案したうえです。  人によっては「一日がかりだった仕事が5分程度で終わるようになった」ということもあるため、会社にとっても担当にとっても嬉しいことのはずなんですが、それでも仕事を進めていくなかで、時に「今まで通りのやり方がいい」という声をいただくことがあります。理屈で考えたら、反対する理由はないはずなので、同じ問題にぶつかっている方は多いだろうと思います。

生き残っていくのに変化は必要

元山文菜

株式会社リビカル代表の元山文菜氏

――たしかに同じような場面を目にしたことはあります。 元山:人は変化を恐れる生き物です。業界の動向を見ている我々からすれば、現状維持のほうが怖く見えてしまうくらいなのですが……。ともあれ、社会の変化にあわせて、仕事のやり方もどんどん変えていく必要があります。たとえるなら「川で洗濯をする方を否定はしませんが、洗濯機を使っても良いんじゃない。乾燥機つきもありますよ」と言いたいのです。これまでのやり方でも仕事はこなせるけど、より効率的な仕事方法があれば切り替えてもいいはずです。  従来のやり方を否定する意図はないんですが、さらにプラスアルファの価値を生む体制が作れないと時代から取り残されていきます。「川まで行って、洗濯板で時間をかけて汚れを落とす」から「洗濯機のボタンを押す」へと仕事を切り替えて、空いた時間で価値ある仕事を自ら作っていくのは、生き残っていくために必要な変化だとお伝えしています。
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契約書の電子化NG…非効率的な仕事が続くワケ
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副業フリーライターとして2年活動したあと独立。子育ての苦労と楽しさを噛みしめつつ、マンガ趣味の影響で始めた料理にも全力投球している。クルマを走らせながら一人でカラオケするのが休日の楽しみ
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