「思いつめると楽しくならない」清掃芸人・マシンガンズ滝沢の考え方を変えた“志村けんさんの言葉”
SNSでもたびたび取り上げられるのを目にする「ゴミ」の問題。リサイクルや環境負荷を考えるようになった現代では、ゴミの分別に関心を持つ人が増えている。しかしそれでも、分別を間違えられがちなゴミは多いという。
@takizawa0914)は、Twitterを通じてゴミ分別に関する情報を発信。直近でも「プラスチック資源に出すなら、ゆすいでくれると嬉しいです!」「びんのシールは剥がさなくても大丈夫です」など、意外と気づかないゴミに関する情報が話題に。最近では海外の人にもわかるよう、英語でツイートしているという熱心さだ。
元は「お笑い」という夢を追いかけるため、生活の支えとして始めた清掃業。いわばやりたいことを続けるために始めた仕事に対し、そこまで熱心に取り組める理由は何だろうか。滝沢氏本人に、直接話を聞いてみた。
――清掃業に勤めようと思ったきっかけはなんだったのでしょうか。
滝沢秀一(以下、滝沢):単純に、アルバイトが見つからなかったからですね。お笑い芸人としての収入だけで暮らしていくのは難しかったので、アルバイトを探してたんです。しかし面接で断られてしまうパターンが9社続きまして、ほとほと困り果てていました。そこで友人から紹介いただいたのが、清掃業のバイトだったんです。もう11年は勤めているので、アルバイトから非常勤という雇用形態に変わっていますけども。
――11年というと、かなり長期ですね。
滝沢:そうですね。非常勤というのは、常勤の人たちがお休みなどをする際にスポットで入る形になります。自治体によって働き方は変わると思いますけどね。特に教えられることとかはなかったんですが、やっていくうちに仕事は覚えていきました。だから普段ツイートしている内容も、現場で得た知識がほとんど。地域によってゴミの取り扱いが変わることもありますが、ゴミ処理場の担当者さんなどに聞いて「これは広まってほしい」と思うことを発信してます。
――ゴミの分別について、どうして発信しようと考えたのでしょうか。
滝沢:ゴミの分別はですね、最初は「どいつもこいつも……」って思いながら嫌々やってたんですよ。知らないことがほとんどの原因なんですが、やっぱり分別が間違っている捨て方っていっぱいあるので。でも、ある時に「ゴミ清掃で日本一になろう」と思い立ちまして。ゴミ分別の方法をまずは芸人仲間に語り、ライブでお客さんに語り、最終的にSNSで発信、という流れです。
――お笑い芸人という本業がありながら、どういうきっかけで「ゴミ清掃で日本一に」と考えたのでしょうか。
滝沢:なんか凄いショックなことがあったわけじゃないんですけども。長く芸人をやっていると、やっぱり面白い人たちって目にすることが多くなってくるんですよ。同期にもたくさんいます。
でもある日、知り合いの芸人がテレビに出ているのを見かけまして。めちゃくちゃ実力ある人たちなんですけど、それがひな壇の端っこのほうに座っているんです。その時「あ、これは俺が入れる余地はないな。あんなに面白い芸人さんがあの位置に座るんだもんな」って思ったんです。それで心機一転、「目の前のことを一生懸命やろう」と考えました。
お笑いコンビ「マシンガンズ」の滝沢秀一氏(
面接で9社に断られた末に入れた清掃業
「ゴミの分別」は夢との距離を感じたから
副業フリーライターとして2年活動したあと独立。子育ての苦労と楽しさを噛みしめつつ、マンガ趣味の影響で始めた料理にも全力投球している。クルマを走らせながら一人でカラオケするのが休日の楽しみ
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