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WBC優勝で歓喜に沸く日本列島。いつか“第二の大谷翔平”を見てみたい

 2023ワールド・ベースボール・クラシックの舞台で展開された物語の結末は、大谷翔平がマイク・トラウトを三振に斬ってとるシーンでクライマックスを迎えた。 「2アウトを取れば最後はトラウトだなと思っていたんですけど、先頭打者を出しちゃったのでできないかなと思いましたが、あの後ゲッツーになって最高の形になって、最高の結果になって良かったと思います」  テレビのフラッシュインタビューで、大谷翔平は振り返った。まさか本当に大谷とトラウトでWBCが決着するとは――。しかも、そのシナリオを大谷自らが完成させるとは――どこまでも大谷翔平という男は「絵になる」選手なのだろうか。

大谷の大号令で始まった物語

「野球をやってきて一番以外を目指したことはありません」  今回のWBC日本代表選出メンバーの先行発表記者会見のとき、大谷はそんな言葉を口にした。「出場する限りは世界一しかない」といった大号令が、今大会の優勝へのシナリオの始まりだった。  メジャーリーガーが参加したからといって、勝てることが保証されるわけではない。しかし、世界の先頭に立つ彼らがチームにいることが、何よりの財産になっていることは紛れもない事実だった。

プロローグはダルビッシュによる意識改革

 世界の野球事情を注入し、選手たちの意識改革を行なったのはメジャーリーガーで唯一、直前合宿に参加したダルビッシュ有(パドレス)だった。  ダルビッシュは宮崎の合宿中、自身の役目をこう語っている。 「自分が日本にいたときは、世界の野球でどんなことが行われているか情報がなかった。だから、今回は自分が合宿から参加することで、それができたらと思う」
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物語は選手全員によるダイアローグへ
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新聞社勤務を経て、2003年にフリージャーナリストとして活動開始。『Number』(文藝春秋)、『slugger』(日本スポーツ企画)などの紙媒体のほか、WEBでも連載を持ち、甲子園大会は21年連続、日本シリーズは6年連続、WBCは3大会連続で取材している。2018年8月に上梓した「甲子園という病」(新潮新書)が話題に。2019年には「メジャーをかなえた雄星ノート」(文藝春秋)の構成を担当。 Twitter:@daikon_no_ken

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