「当初は純粋なエロ漫画だった」。嫉妬や愛憎にまみれた“コスプレ漫画”ができるまで
マウント、対人トラブル、そして憧れ……。ヤンチャンWebで連載中の『コスは淫らな仮面~オートクチュール~』は、コスプレ文化の光と影を描き、界隈内外から強い反響を呼んでいる。
作者の「すずはねすず」さん(@suzuhane)に、もともと同人誌で人気を博していた本作連載までの経緯と、すずはねさんの考えるコスプレ文化の魅力について語ってもらった。
——そもそも、すずはねさんがコスプレ文化に興味を持ったきっかけはいつですか?
すずはねすずさん(以下すずはね):本当に絵を描き始めて間もない頃、コミケに行ったときに初めて生でコスプレを目にしました。
生で見てから興味を持つようになり、コスプレ特有の衣装やキャラの武器の造形、メイクなどに惹かれていって。プロの漫画家になってからも、コスプレ文化はずっと心に残っているものでした。
——そこからコスプレをテーマにした『コスは淫らな仮面』を描くまで、どのような経緯があったのでしょうか?
すずはね:2016年に成年向け雑誌で初めて『コスは淫らな仮面』というタイトルで描かせてもらいました。今のような人間関係やコスプレネタに特化した作品ではなく、純粋なエロ漫画でしたね。
ですが翌年2017年に、体調不良が重なったこともあり「自分のような漫画の作風はエロ漫画というジャンルにあわないのでは?」と思いつめるようになってしまって……メンタルがどん底まで落ちてしまったんです。もう作家をやめようとまで思っていました。
やめるなら最後にもう1回好きなもの……コスプレネタで漫画描くかって思い立ったものが『コスは淫らな仮面』の同人誌版です。
その頃もコスプレは好きだったので、日常的にTwitterでレイヤーさんのアカウントを拝見していました。すると、コスプレ界隈のトラブルが流れてくるのを目にすることがあって……。そこで得た情報と自分のメンタルがどん底だった影響で、嫉妬やら愛憎やらにまみれた内容の漫画になっていきました。
コミケでコスプレに興味を持った
作家をやめようと思っていた
フリーライター。サブカルチャーとグルメ、自由業のキャリアに関心があります
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