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“無職の漫画家”が職業訓練校に入った理由。「漫画しか描けないと思っていた…」<漫画>

現在、「週刊ビッグコミックスピリッツ」(小学館)で連載中の無職の学校~職業訓練校での200日間~は、職業訓練校を舞台にした、切実ながらも前向きな青春物語が支持されている。作者の清家孝春さんに『無職の学校』誕生秘話と、原点となった自身の無職経験・働くことへの想いを聞く。
『無職の学校』

『無職の学校』(小学館)

ハローワークで進められた「職業訓練校」

——まずは清家さんがどうして職業訓練校に通うことになったのかをお聞きしてもよろしいでしょうか? 清家孝春さん(以下清家):大学を卒業したあとも、働きながら連載を目指して漫画を描いていました。でも任期満了で、その時の職場を辞めることになって。ハローワークに行くと「若いんだから職業訓練校なんてどう? 失業保険ももらえるよ」とすすめられましたね。 正直、再就職を目指すというより「訓練校に通える間に漫画を頑張って連載するぞ!」と思って通い始めました。

「マスクで模擬面接を受ける授業」も

——印象に残っている授業はありますか? 清家:僕が通っていたのはコロナ禍の時だったので、マスクで模擬面接を受ける授業がありました。マスクをすると表情が伝わりにくいので、目だけで笑う練習をしたりとか。 なかでも一番印象に残っているのは最終課題のグループワークです。5人くらいでホッチキスをリデザインして、プレゼンまでやったんです。でもそれぞれ譲れないものがあるので結構揉めて。しかも大人の喧嘩なので最後までやりきらないんですよね(笑)。一物抱えた感じで進んでいく、大人の社会の作法に触れた気がしました。 それでも制作コストまで考えて設計したり、3Dのデータに起こしたりと今まで習ってきたことの集大成って感じで。達成感もあってすごく楽しかったです。
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無職だったからこその繋がりは「特別なもの」
フリーライター。サブカルチャーとグルメ、自由業のキャリアに関心があります
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